
24歳で独学により1級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得。2021年に「ほんださん / 東大式FPチャンネル」を開設し、35万人以上の登録者を獲得。
2023年に株式会社スクエアワークスを設立し、代表取締役としてサブスク型オンラインFP講座「FPキャンプ」を開始。FPキャンプはFP業界で高い評価を受け、2025年9月のFP1級試験では48%を超える受験生が利用。金融教育の普及に注力し、社会保険労務士や宅地建物取引士など多数の資格試験に合格している。
資産運用をはじめたいものの、税金の仕組みが分からずハードルを感じている人は多いでしょう。
「金融所得課税」などの聞きなれない専門用語が多く、難しく感じてしまいます。
金融所得課税は、株式や投資信託などで得た利益にかかる税金を指し、NISAと関係のある所得です。
本記事では、金融所得課税の基本的な仕組みから計算方法、NISAを活用した場合まで詳しく解説します。
税金の仕組みを正しく理解し、かしこい資産運用をはじめましょう。

金融所得課税とは?仕組みを解説
金融所得課税は、利益の種類によって分類が異なり、それぞれにルールがあります。
金融商品から得られる利益にかかる税金
金融所得課税とは、預貯金や株式などの金融商品から得た利益に対して支払う税金です。
資産運用で得た利益には税金がかかるため、全額を受け取れるわけではない点に注意してください。
例えば、株式投資で10万円の利益が出た場合、そのまま10万円が手元に残るわけではありません。
利益に対して一定の税率がかけられ、税引き後の金額が最終的な手取り額です。
投資計画を立てる際は、税引き後のリターンを意識してシミュレーションしましょう。
課税の対象となる3つの所得
金融商品から得られる利益は、主に以下の3つの所得に分類されます。
- 譲渡所得
1つ目の「譲渡所得」は、株式や投資信託の売却で得られる利益を指し、「キャピタルゲイン」とも呼ばれます。
金融商品を安く買い、高く売ったときの差額が当てはまります。
例えば、10万円で購入した株式が12万円で売れた場合、2万円が譲渡所得です。
- 配当所得
2つ目の「配当所得」は、企業からの配当金や投資信託の分配金として受け取る利益を指し、「インカムゲイン」とも呼ばれます。
株式を保有しているだけで定期的に得られる利益のため、働かなくても「不労所得」として収入源を増やせます。
- 利子所得
3つ目の「利子所得」は、銀行の預貯金や国債などの利息として受け取る利益を指し、配当所得と同様に「インカムゲイン」です。
どの所得に当てはまるかによって、税金の仕組みや計算方法が異なります。
金融商品を運用する際は、自分がどの所得を得ようとしているのかを事前に把握しておくとよいでしょう。
基本的な税率と内訳
金融所得課税の基本的な税率は、20.315%と定められており、給与などの他の所得額にかかわらず一定です。
内訳は、以下の通りです。
- 所得税:15%
- 住民税:5%
- 復興特別所得税:0.315%
復興特別所得税とは、東日本大震災の復興財源として2037年まで課される予定の税金を指します。
例えば、株式投資で10万円の利益が出た場合、2万315円を税金として支払います。
手元に残る金額は約8万円に目減りするため、20.315%という数字は覚えておきましょう。
税金の影響を考慮せずに投資判断を下すと、想定外の資金不足に陥る危険性があります。
金融所得課税の計算方法と3つの課税方式
金融所得課税の計算には、3つの課税方式があり、利用する証券口座の種類によって確定申告の有無が異なります。
①総合課税
総合課税とは、給与所得や雑所得など、他の所得とすべて合算し、合計額に対して税率を掛ける方式で、配当所得が当てはまります。
日本では累進課税制度を採用しているため、全体の所得額が多い人ほど税率が高くなる仕組みです。
一方で、年間の総所得が一定以下の場合、総合課税を選んで確定申告をすれば、配当控除の適用を受けられるメリットがあります。
自身の所得状況に応じて、他の課税方式と比較検討しましょう。
②申告分離課税
申告分離課税は、給与などの他の所得とは切り離し、金融所得単独で税額を計算する方式です。
株式や投資信託の売却による「譲渡所得」などは、原則申告分離課税が適用されます。
税率は他の所得額にかかわらず、一律で20.315%に固定されており、高所得者であっても税率が跳ね上がりません。
また、損失が出た場合に他の利益と相殺する「損益通算」をする場合にも、申告分離課税での申告が必要です。
損益通算とは、利益から損失分を引く方法を指し、100万円の利益と50万円の損失があった場合、課税対象の金額を50万円に減らせます。
③源泉分離課税
源泉分離課税は、所得が支払われるときに一定の税率で税金が差し引かれ、納税が終わる方式です。
一般的な銀行預金の利息などが当てはまり、他の所得と合算せずに課税が終了します。
受け取る段階ですでに税金が引かれているため、自分で計算したり確定申告をする手間がかからないのがメリットです。
ただし、すべての利子所得が源泉分離課税ではない点は正しく理解しておくべきでしょう。
源泉徴収は必要?源泉徴収ありの口座を選べば原則不要
投資をはじめる際、証券会社で口座を開設しますが、口座の種類によって確定申告の手間が変わります。
【不要】特定口座(源泉徴収あり)は確定申告を省略できる
「源泉徴収あり」の特定口座を選択すれば、原則として自身で確定申告をする必要はありません。
証券会社が投資家に代わって1年間の損益を計算し、税金の徴収と納付をすべて代行してくれます。
日々の仕事や家事で忙しい人にとって、書類作成の手間を省ける特定口座の仕組みは助かるでしょう。
利益が出るたびに自動で処理が終わるため、後から多額の税金を請求される心配もありません。
【必要】確定申告が必要・有利になる具体的なケース
源泉徴収ありの口座を利用していても、特定の条件下では確定申告が必要な場合や有利になるケースもあります。
先ほども触れた「損益通算」や、翌年以降(最大3年)へ繰り越す「繰越控除」をしたい場合、確定申告が必要です。
代表的な例は、複数の証券会社で口座を持っており、一方の口座で出た損失をもう一方の口座の利益と相殺したい場合です。
確定申告をして損益通算をすれば、払いすぎた源泉徴収分が還付金として戻ってきます。
自身の取引状況を把握し、申告をすべきかどうかを適切に見極める知識を身につけましょう。
【ポイント】FXや暗号資産(仮想通貨)の税金に注意
FXと暗号資産(仮想通貨)は、株式や投資信託とは異なるため、事前に確認しておきましょう。
FX:雑所得(申告分離課税)
FX(外国為替証拠金取引)で得た利益は、「先物取引に係る雑所得等」として申告分離課税の対象です。
株式投資と同様に、税率は所得額にかかわらず一律20.315%が適用されます。
また、FX取引同士(先物取引に係る雑所得等)であれば損益通算が可能で、損失の3年間の繰越控除も認められています。
例えば、A社とB社の異なるFX口座を利用していても、両者の損益を合算した結果で税金計算が可能です。
ただし、FXの損益を株式や投資信託の損益と合算できない点には注意してください。
金融商品ごとにグループ分けされており、異なるグループ間での損益通算は禁止されています。
仮想通貨:雑所得(総合課税)
ビットコインをはじめとする暗号資産(仮想通貨)の取引で得た利益は、原則として「雑所得」に分類されます。
FXとは異なり、暗号資産の利益は総合課税の対象となるため、注意が必要です。
総合課税は給与所得などと合算して税率が決まるため、全体の利益が大きいほど税負担も重くなります。
所得税と住民税を合わせると、最大で約55%と高い税率が適用される可能性があります。
例えば、本業の給与が高い人が暗号資産で数千万円の利益を出した場合、半分以上が税金として徴収される仕組みです。
株式やFXとの損益通算はできず、損失を翌年以降に繰り越す控除も認められていません。
なお、損益通算は、以下の条件を満たした場合のみ可能です。
- 雑所得のもの
- 総合課税のもの
- 同じ年内(1月1日~12月31日)の損益
暗号資産は、申告分離課税への変更が検討されています。
しかし、現状の税制は投資家にとって不利な側面が強いため、慎重な取引と事前の対策が必要です。
金融所得課税とNISA(少額投資非課税制度)の関係
投資にかかる約20%の税金をゼロにできるのが、NISA(少額投資非課税制度)です。
NISA口座内の運用益には金融所得課税が適用されない
金融所得課税の負担を回避するお得な制度が、NISAの活用です。
通常、投資で得た利益や配当金には約20%の税金がかかりますが、NISA口座を利用すればすべて非課税になります。
例えば、NISA口座で運用した商品で100万円の利益が出た場合、税金を一切引かれずに100万円をそのまま受け取れます。
2024年からは新NISAがはじまり、非課税期間が無期限化され、より長期的な資産形成を進めやすくなりました。
将来のために資産運用をはじめるのであれば、通常の課税口座よりも先に、まずはNISA口座を活用するとよいでしょう。
税金がかからないメリットは、長期間運用するほど複利効果で大きな力を発揮するため、ぜひ活用してみてください。
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非課税になるNISAとは?安全な資産運用は「FP資格」にあり!
税負担を軽減するための非課税枠のかしこい活用法
新NISAの年間投資枠は、「成長投資枠240万円」と「つみたて投資枠120万円」の合計360万円です。
さらに、一生涯にわたって利用できる非課税保有限度額は、最大で1,800万円と多額の枠が用意されています。
2つの枠を活用し、自身の目的に合わせたポートフォリオを構築すれば、効率的に資産形成を進められるでしょう。
例えば、安定した老後資金を作りたい人は、つみたて投資枠を利用して投資信託をコツコツ買う手法が王道です。
一方、高いリターンや定期的な配当金狙いの個別株投資を行いたい人は、成長投資枠を利用するとよいでしょう。
自身のライフプランや許容できるリスクに合わせて、2つの枠を柔軟に組み合わせるプランが成功の鍵を握ります。
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複雑な税金やお金の仕組みを学ぶならFP資格がおすすめ
税金や投資のルールは複雑なため、FP資格を通じてお金の知識を学ぶのがおすすめです。
理由①:金融リテラシーを高めれば防衛策になる
金融所得課税をはじめとする税金の仕組みは、初心者ほど難しく感じ、「資産運用をするのやめようかな」と躊躇する人もいるでしょう。
老後資金の準備やインフレから資産を守るためには、資産運用は欠かせない方法です。
しかし、正しい知識を持たずに資産運用をはじめると、思わぬところで損失につながります。
例えば、確定申告を忘れて払いすぎた税金を取り戻せなかったり、税率の高い商品に無自覚に投資してしまったりするケースです。
自分の大切な資産を守り、適切に増やしていくためには、根本的な金融リテラシーの向上が欠かせません。
金融機関の営業担当者の言葉を鵜呑みにせず、自分で最適な選択を判断できる基準を持つのが確実な防衛策といえるでしょう。
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理由②:投資だけでなく税金や年金、ライフプランも計画可能
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FP試験の効率的な対策には「FPキャンプ」を活用しよう
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本質理解で、挫折せずに合格を目指せる
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