24歳で独学により1級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得。2021年に「ほんださん / 東大式FPチャンネル」を開設し、32万人以上の登録者を獲得。
2023年に株式会社スクエアワークスを設立し、代表取締役としてサブスク型オンラインFP講座「FPキャンプ」を開始。FPキャンプはFP業界で高い評価を受け、2025年9月のFP1級試験では48％を超える受験生が利用。金融教育の普及に注力し、社会保険労務士や宅地建物取引士など多数の資格試験に合格している。
ファイナンシャルプランナー（FP）の試験を受けようとしたとき、最初にぶつかる壁が「種類の多さ」ではないでしょうか。
「きんざい（金融財政事情研究会）」と「日本FP協会」の2つの実施団体があり、さらに実技試験の選択肢も分かれています。
さまざまな試験があるため、どれを選べばよいのか迷ってしまう人は少なくありません。
合格率だけを見ればある程度の難易度は測れますが、実際の試験には数字には表れない「相性」や「隠れた落とし穴」が存在します。
本記事では、すべてのFP試験を受験し、合格してきたほんださんの視点から作成した「FP試験難易度ランキング（格付け）」を解説します。
【結論】FP試験・難易度格付けランキング
FP試験には多くの種類がありますが、単純な難易度だけでなく、対策のしやすさやプレッシャーの強さも合否に大きく影響します。
ここでは、全種類の試験を実際に受けた経験をもとに、独自のランキングを作成しました。
まずは、全体の難易度を把握しましょう。
【ランク：SS】
試験の種類：FP1級 学科
特徴・難易度の理由：プロ同士の争いで合格率10％。圧倒的な知識量が必要。
【ランク：S+】
試験の種類：CFP（金融）
特徴・難易度の理由：計算が非常に複雑で時間が足りない。問題の意味すら不明な場合も。
【ランク：S】
試験の種類：FP1級 実技（きんざい・面接）
特徴・難易度の理由：審査員との対面口頭試問。対策が難しくプレッシャーは最高レベル。
【ランク：A】
試験の種類：CFP（ライフ・リスク等）、FP1級 実技（FP協会・筆記）
特徴・難易度の理由：FP2級の延長線上で対策可能。FP協会の1級実技は実は穴場。
【ランク：B+】
試験の種類：FP2級 学科
特徴・難易度の理由：3級からの難易度上昇が激しい。丸暗記が通用しなくなる壁。
【ランク：B】
試験の種類：FP2級 実技（FP協会）、きんざい実技（中小）
特徴・難易度の理由：FP協会は問題数が多く、計算スピードが求められるため、意外に難しい。
【ランク：C】
試験の種類：FP2級 実技（きんざい個人・生保）
特徴・難易度の理由：問題数が少なく、出題パターンが決まっているため対策しやすい。
【ランク：D】
試験の種類：FP3級
特徴・難易度の理由：お金の知識の入門編。基本的な対策で合格可能。
「FP協会の2級実技」が高いランクにある点や、「FP1級の実技」において団体間で難易度の質が異なる点に驚く人も多いでしょう。
一般的なイメージとは異なる「ほんださんの肌感覚」による順位付けには、明確な理由があります。
次の章では、各ランクの詳細と、それぞれの試験に潜む「罠」や「攻略のポイント」について掘り下げて解説します。
【ランク別詳細】FP試験の難易度と合格へのポイント
各ランクの具体的な難しさの理由や、合格に向けた対策のポイントを詳しく解説します。
【Dランク】FP3級は入門レベルだが「保険」には注意が必要
FP試験の中でも、基礎的なDランクに位置するのが「FP3級」です。
お金の勉強の入り口として人気があり、しっかりと勉強すれば誰でも合格を目指せます。
しかし、選択する実技試験によっては、少しだけハードルが上がるため注意が必要です。
【ポイント①】初心者は保険分野のイメージが難しい
FP3級の実技試験には、きんざいが実施する「保険顧客資産相談業務」という試験があります。
保険顧客資産相談業務は、3級の中では比較的難しい部類に入るといえるでしょう。
保険の営業経験がない人や、保険について学んだ経験がない人にとっては、専門用語や仕組みのイメージが難しい傾向にあります。
例えば、経理処理などの会社に関する数字は、日常生活で頻繁に触れるものではありません。
初めてテキストを見たときに「さっぱり分からない」と感じてしまい、挫折の原因になるケースもあります。
【ポイント②】日本FP協会は身近なテーマで取り組みやすい
一方で、日本FP協会が実施する「資産設計提案業務」は、比較的イメージしやすい問題が多く出題されます。
「住宅ローンの返済計画」や「家計のバランスシート」など、自分自身の生活に置き換えて考えられるテーマが中心です。
そのため、初心者が独学ではじめるのであれば、日本FP協会の実技試験を選ぶ方が、スムーズに学習を進められるでしょう。
どちらを選んでもFP3級としての価値は変わらないため、自身のバックグラウンドや興味に合わせて選ぶのがおすすめです。
【Bランク】FP2級から難易度が急上昇！実技試験にある意外な落とし穴
FP3級に合格し、意気込みをもってFP2級の勉強をはじめた多くの人が、難易度のギャップに驚きます。
FP2級は「Bランク」としていますが、体感としては3級とは「別次元の試験」だと考えましょう。
【ポイント①】学科試験は「丸暗記」が通用しない壁
3級がお金の「用語」を知る試験だとすれば、2級はお金の「仕組み」を理解する試験です。
言葉を知っているだけでは太刀打ちできないため、制度の背景や詳細な規定まで理解する必要があります。
「3級と同じように直前の詰め込みでなんとかなる」と考えている場合、痛い目を見ることになるため、注意してください。
【ポイント②】FP協会実技の「時間不足」という罠
FP2級の実技試験選びにおいて、多くの情報サイトでは「日本FP協会の方が問題は簡単」と紹介されています。
しかし、実際に受験してみると、日本FP協会の実技試験には「時間の壁」という大きな落とし穴があります。
日本FP協会の実技試験は、試験時間が90分であるのに対し、問題数が40問と多く、単純計算で1問あたり2分強しかかけられません。
さらに、FP3級のような易しい問題だけでなく、複雑な計算問題が多く含まれています。
計算プロセスを考え、電卓を叩き、解答用紙に記入する作業を繰り返していると、すぐに時間が過ぎてしまいます。
「解き方は分かるのに、時間が足りなくて最後まで終わらなかった」という経験をする人も少なくありません。
スピード勝負が苦手な人にとっては、難易度が高く感じる可能性もあるでしょう。
【ポイント③】きんざい実技（個人）は対策次第で楽になる
一方で、きんざいの「個人資産相談業務」は、問題数が15問と少ないのが特徴です（事例形式で出題）。
問題自体は専門性が高く、深く問われますが、出題パターンがある程度決まっているため、対策次第で楽になるでしょう。
「建ぺい率・容積率の計算」や「各種係数の使い方」など、頻出問題を徹底的に反復練習しておけば、本番でも落ち着いて解答できます。
問題数が少ない分、1問あたりの配点は大きい特徴があります。
しかし、正しい方法で対策を進めれば、日本FP協会よりも精神的な余裕を持って受験できるでしょう。
【SS～Aランク】FP1級・CFPの最高峰対決と本当の難易度
FP試験の頂点に君臨するのが「FP1級」と「CFP」です。
FP1級とCFPは、プロフェッショナルとしての実力を証明する資格であり、生半可な気持ちでは合格できません。
【ポイント①】FP1級学科は「プロの中での競争」
難易度の高い「SSランク」に位置するのが、FP1級の学科試験です。
FP1級試験の合格率は例年10％程度と非常に低く、難関国家資格と比較しても遜色ないレベルです。
重要なのは、FP1級試験を受ける受験生のレベルが高い点です。
FP1級学科を受けるには、原則として「FP2級合格かつ実務経験1年以上」などの受験資格が必要です。
つまり、受験者の多くが、すでにFPの知識を持ったプロフェッショナルたちだといえます。
ハイレベルな受験者層の中で、わずか1割しか合格できないという事実は、この試験の過酷さを物語っています。
出題範囲も広く、細かい知識まで問われるため、中途半端な対策では歯が立たないでしょう。
【ポイント②】CFP「金融」は難易度が高い
国際資格であるCFPは6つの科目に分かれており、科目ごとに難易度が異なります。
「ライフプランニング」や「リスクと保険」などの科目は、FP2級の知識をベースにしっかりと対策すれば合格しやすいため、Aランクです。
しかし、「金融資産運用設計」だけは別格で、ランクをつけるなら「S+」といえるでしょう。
金融資産運用設計は、ほんださんから見ても「何を書いているのか分からない」と感じるほど難解な問題が出題されました。
外貨預金や金利の複雑な計算など、高度な知識が求められます。
【ポイント③】FP1級実技は「日本FP協会」が狙い目
FP1級の実技試験は、団体によって違いがあります。
きんざいの実技試験は「面接形式」で受験するため、知識だけでなくコミュニケーション能力や臨機応変な対応力が求められます。
合格率は高めですが、独特の緊張感があり、対策が難しいため「Sランク」でしょう。
対照的に、日本FP協会の実技試験は「記述式のペーパーテスト」です。
日本FP協会の試験はFP1級学科やCFPを突破した人にとって、比較的挑戦しやすい「Aランク」といえます。
内容はFP2級の問題を少し難しくした程度のため、慌てなければ落ち着いて解答できます。
「実技試験で確実に合格を取りたい」と考える人には、日本FP協会の実技試験を受けるのがかしこい戦略です。
結局どのルートがおすすめ？プロが教える戦略的な選び方
最終的にどの資格を目指すかによって、選ぶべきルートは変わります。
ゴールを「FP1級を取得する」とする場合、大きく分けて2つのルートがあります。
【1. FP1級学科ルート（一発突破型）】
最難関である「FP1級学科試験」は、直接FP1級に挑戦するルートです。
学科試験を乗り越える覚悟が必要ですが、集中して勉強できる環境がある人や、短期間で決着をつけたい人にはおすすめです。
【2. CFPルート（各個撃破型）】
CFPの6科目に合格し、受験資格のCFPを使ってFP1級の実技試験を受けるルートです。
1科目ずつ受験できるため、仕事が忙しくまとまった勉強時間が取れない人に向いています。
ただし、6科目すべてに合格しなければならないため、トータルの学習期間は長い傾向があります。
また、科目ごとに頭を切り替えて勉強し直す必要があるため、モチベーションの維持が課題です。
自身のライフスタイルや得意な勉強スタイル（短期集中・コツコツ継続など）に合わせて選ぶことが、合格への近道です。
【おすすめの記事】
ほんださんがCFPに一発合格！CFP試験のリアルとFP1級との違い
難関試験を突破するには「丸暗記」ではなく「仕組みの理解」が重要
FP試験の難易度が高くなるにつれて、「丸暗記」では通用しません。
FP3級やFP2級の一部までは、語呂合わせや数字の暗記だけで得点できる可能性もあります。
しかし、FP2級の一部問題やFP1級（Bランク以上）になると、暗記だけでは複雑な問題に対応しきれません。
合格するために必要なのは、「なぜそうなるのか？」という仕組みを理解し、柔軟に考える思考力です。
例えば、「この制度は、そもそもどういう人を救うために作られたのか」という背景を理解すると分かりやすくなります。
「障害年金」は、障害がある人の生活を守る目的があるため、税金はかかりません。
「障害年金は非課税」と覚えるよりも、制度の背景から理解すれば、思考力で勝負できます。
また、顧客の状況に合わせて知識を応用する力も身につけられるため、知識の「本質」を追い求めるのがおすすめです。
単なる知識の詰め込みではなく、実務で使えるレベルまで理解を深め、難関試験を突破する基盤を作りましょう。
FPキャンプなら基礎から応用までプロ講師が徹底サポート
独学で「仕組みの理解」まで到達するのは時間がかかり、困難な道のりです。
テキストを読んでも「なぜ？」の部分が解説されていないことが多く、疑問が解消されないまま暗記に頼ってしまうでしょう。
効率よく本質的な理解を深める学習を望むなら、FP試験対策に特化した学習コンテンツ「FPキャンプ」がおすすめです。
FPキャンプでは、単なる用語解説ではなく「制度の背景」や「実務での考え方」まで踏み込んで解説しています。
- 丸暗記不要の講義：理由を理解できるため、記憶に定着しやすく、応用問題にも対応できます。
- 各レベルに対応：FP3級から最難関のFP1級まで、幅広く学べます。
- スキマ時間で学習：スマホ一つで講義動画が見放題なので、忙しい社会人でも無理なく続けられます。
「難易度の高い試験に挑戦したいけれど、独学では不安」という人は、ぜひFPキャンプで本物の知識を身につけてください。
まずは無料コース（FP3級 学科試験）で、新しいチャレンジをはじめましょう。
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【朗報】FP3級の独学が変わる！FPキャンプなら学科試験対策が無料で使い放題に
さらに詳しい理由を知りたい人はこちら
本記事をさらに詳しく確認したい人は、以下の動画をご覧ください。
難易度の違いを理解して自分に最適なFP試験に挑戦しよう
FP試験は、種類によって難易度や出題傾向が大きく異なります。
合格率という数字だけに惑わされず、それぞれの試験の特徴を知る必要があります。
初心者は、入門レベルの知識を学べるFP3級から挑戦しましょう。
日本FP協会の実技試験は、実際にイメージしやすく、挑戦しやすい点がメリットです。
FP2級は、3級よりも壁が高いため、しっかりと対策する必要があります。
「時間不足」になる日本FP協会か、「深掘り」されるきんざいか、自分に合う実技を選びましょう。
FP1級やCFPは難易度が非常に高いため、しっかりと計画を立てて、戦略的な学習を進めてください。
自分に合った試験を選び、正しい学習法で対策をすれば、FP資格は心強い武器として役立ちます。
ぜひ、最初の一歩をFPキャンプで踏み出してみてはいかがでしょうか。
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