【FP1級 実技試験 合格体験記 M.N様インタビュー】

FP1級受験のきっかけ

勤務先がFP資格の取得を推奨していたことが最初のきっかけでした。勉強を始めた当時、私は保険の代理店営業を担当しており、FP1級を取得することで代理店やお客さまからの信頼につながると感じていました。

また、主要なお客さまは中小企業の経営者層で、事業承継のニーズが高まりつつある状況でした。最適な提案を行うためには、より高度な知識が不可欠だと感じ、FP1級への挑戦を決意しました。

さらに、昇格して後輩を育成する立場になったことも大きな理由です。組織全体のレベルアップに貢献できるよう、専門知識を深めて指導できる存在になりたいと考えました。

学習スケジュールと活用教材

学科試験(2025年5月)の自己採点で合格が確実だと分かった時点で、実技試験の学習を開始しました。最初は「きんざい」「FP協会」「両方受験」で迷いましたが、FPキャンプで面接対策講座が開設され、その内容を確認し「きんざいの面接」一択に決めました。

学習スケジュール

■6月~

  • TAC合格テキスト(茶本)で過去問確認
  • YouTubeで試験概要を把握

■7月~(FPキャンプ実技試験対策購入)

  • 平日:朝30分(動画視聴・過去問確認)、夜1時間(FPキャンプでインプット)
  • 土日:3時間(講座視聴+過去問演習+面接回答練習)

■試験直前2週間

  • 平日:朝30分+夜2時間
  • 土日:4時間
  • 直前2日間:休暇を取得し、1日8時間集中学習

──学習に利用した主な教材を教えてください。

  • TAC合格テキスト(茶本):過去問確認や基礎知識整理に活用。
  • FPキャンプ 1級実技試験コース:講義動画とテキストを中心に学習。理解が難しい箇所は繰り返し視聴し、直前期にも見直しました。教材テキストPDFを印刷し、1問1答形式でアウトプット練習を徹底しました。
  • FPキャンプのメルマガ「僧侶FPとやまの今日の一問チャレンジ」:回答を確認しながら、知識の定着を図りました。

学習の工夫と面接試験対策

動画の反復視聴とアウトプット練習により、知識を自分の言葉で説明できる状態を目指す 

 まずFPキャンプの動画を視聴し直し、改めて知識のインプットから始めました。ただ、以前の1級学科試験の基礎編学習は「合格のための学習」にとどまり、各単元を自分の言葉で説明できるレベルには至っていませんでした。

その反省を踏まえ、次の3点を意識しました。

  1. 動画の繰り返し視聴と、自分の言葉での説明
    ・FPキャンプの動画を何度も視聴し、用語や内容を自分の言葉で説明できる状態を目指しました。
  2. アウトプット練習の徹底
    ・教材テキストを印刷し、回答を隠して1問1答形式で練習。
    ・本番で自然に話せるよう、瞬時に言えるまで繰り返しました。
  3. 面接対策講義で紹介された工夫を活用
    ・「権現提市法税融」などの呪文を覚え、論点整理に活用。
    ・過去問を使ってメモの取り方も練習しました。

FPキャンプの教材を活用し、必須項目であるPART Iの相談内容・問題点・FPの職業倫理や、PART IIの質問事項(Aさんに聞くこと/FP自身が調べること)を声に出しながら繰り返し練習しました。

また、YouTubeで実技試験の質疑応答動画を探して視聴し、本番のイメージを具体的につかむようにしました。面接官との会話の流れを理解できたことは大きな助けになりました。

特に実施していません。

範囲の広さへの不安を「頻出論点に集中」する戦略で乗り越える

一番大変だったのは、問題範囲が限定されていないため「どこまで学習すべきか」が分からなかったことです。FPキャンプ以外の部分を学習する余裕はなく、最後まで不安がつきまといました。

そこで、「出題可能性が高い部分に集中する」という戦略を取りました。
具体的には、FPキャンプの動画とテキストを繰り返し確認し、重要論点を確実に押さえることに注力。過去問や設例を解き、曖昧な部分はノートにまとめて復習しました。

「完璧を目指さない」「頻出論点を確実に押さえる」という割り切りが、不安を軽減し、最後まで学習を続ける力になりました。

夫とのお出かけ、友人との飲み会、ドラマ視聴、凝った料理、睡眠時間など、多くのことを犠牲にしました。特に直前期は休日も勉強に充てていたため、家族や趣味の時間がほとんど取れませんでした。

ただ、合格のための期間限定の優先順位だと割り切り、学習に集中しました。家族の理解と協力があったからこそ乗り越えられたと感じています。

細かな計画は立てず、反復を最優先して理解を深める

 細かな計画は立てず、「この時期までに1周したい」といった大まかな目安だけを設定しましたが、予定通りには進みませんでした。

それでも、反復は徹底しました。動画は倍速で繰り返し視聴し、理解が曖昧な部分を重点的に復習。「完璧な計画よりも、何度も触れること」を優先したのが良かったと思います。

自信はなかったが、やり切った学習と営業経験が精神的な支えに

正直、自信はまったくありませんでした。直前期でも理解できていない部分が多く、当日は「答えられる問題が来ることを祈るしかない」という心境でした。

しかし、FPキャンプの教材をやり切ったこと、そして営業現場で予想外の質問に対応してきた経験から、「なんとかなるはず」と気持ちを切り替えることができました。この切り替えが緊張を和らげ、本番で落ち着いて対応できた大きな要因だと思います。

FP1級実技試験の雰囲気や難易度、内容

  • Part I(相続・事業承継分野)
    一見すると難しそうでしたが、じっくり読み込んだら何とかなりそうでした。

  • Part II(不動産分野) 
    学習した設例に類似しており、面接官の質問もある程度予想できました。
  • Part I(相続・事業承継分野)
    威圧的な圧迫面接でした。お話いただいていた方も少し高圧的な感じがありましたが、隣でメモを取っていた方が睨めつけたり溜息をつかれたりしたため、雰囲気は圧迫感がありました。

  • Part II(不動産分野)
    終始和やかな雰囲気(男性の年配の方が質問者・女性の方がメモ取られていました)。質問者の方からは笑顔で対応いただき、かなり誘導もしていただきました(回答できるところも終始補足いただき、誤った発言をしないように誘導いただいた印象がありました)。
  • Part I(相続・事業承継分野) 
    学習していない論点もありましたが、大部分は回答できました。

  • Part II(不動産分野)
    学習していない論点もあったため、スムーズに回答できるところとできないところにハッキリと明暗がつきました。 

Part I(相続・事業承継分野) 

  • Aさんの相談内容と問題点を項目だけ教えてください。
  • 法的な相続権がない娘に対しどのような方法が考えられますか?
  • 養子縁組をするとどんなことができますか?

  • 遺言書の作成はどのような方法がありますか?

  • 公正証書遺言について教えてください。

  • 公正証書遺言のデメリットについて教えてください。

  • 遺言の作成で気を付けるポイントはありますか?

  • 生前贈与について教えてください。

  • 毎年の110万円の暦年贈与について気を付けなければならないことは?

  • これからも家族が自宅に住み続けることができますか?

  • 養子になることにより相続税の軽減にはどのような効果がありますか?

  • FPが守るべき職業倫理を6つ挙げてください。

  • そのうち、どれを重視するかとその理由を教えてください。

Part II(不動産分野) 

  • Aさんから直接聞いて確認することは?

  • FPであるあなた自身が調べて確認する情報は?

  • 登記事項の確認はどこで行うことができますか?

  • X社が甲マンションを購入することによるメリットは?

  • 要除却認定マンションについて教えてください。

  • マンションの敷地と建物について所有者全員の同意を得ることなく一括売却する方法はありますか?

  • マンションの建て替え事業においてどのようなことが障壁になると考えられますか?

  • 本事案に関与する専門職業家にはどのような方々がいますか?

  • あなたが、お客さまより税務相談を受けた場合に無償でも具体的な金額を示して回答しても良いですか?

反省点と得点結果の振り返り

  • Part I(相続・事業承継分野)とPart II(不動産分野)ともに以下の点に気を付けました。

    ・聞かれていないことまで答えない

    ・回答は端的にこたえること

    ・質問者の方がお客さまと想定し、安心感を持っていただけるような雰囲気を作ること

    ・知らないことは適当に回答するのではなく、分からないので調べて回答すると回答すること

沈黙を避け、誠実に対応し、ヒントには素直に乗る姿勢を大切に

面接官からヒントや誘導があった場合は、できるだけそれに沿って回答するようにしました。回答を教えていただいた際には感謝の気持ちを伝え、後日確認して学習する旨を誠意をもってお伝えしました。

知識が不足していると感じたときは、「現時点では確認が必要ですが、持ち帰って対応します」と正直に申し上げました。沈黙を避け、分かる範囲で関連知識を補足しながら、誠実な姿勢で対応することを心掛けました。

200点満点中124点で、内訳は以下の通りです。 

A ) 顧客の問題点の把握(40点満点): 25点 

B ) 問題解決策の検討分析(60点満点):35点

C ) 顧客の側に立った対応(60点満点):38点 

D )FP倫理と法令順守(40点満点): 26点 

FPキャンプの教材をやり切った自信と面接官との誠実なコミュニケーションで合格をつかみ取る

  1. FPキャンプを軸にした学習戦略
    FPキャンプの教材を徹底的に活用したことが最大の要因です。範囲が広く不安はありましたが、講義で学んだ「事前準備のフロー」を本番で再現できたことが大きな強みになりました。設例を読む15分間で最低限の回答を準備できたため、面接で回答に詰まることがありませんでした。

    動画やテキストを繰り返し視聴して重要論点を確実に押さえたこと、さらに教材のPDFファイルを印刷して1問1答形式でアウトプット練習を徹底したことが、本番で自信を持って回答できる基盤になったと感じています。
  1. 面接対応力と誠実なコミュニケーション
    面接では、知識だけでなく対応力も評価されます。分からない質問に対しては面接官の誘導を受けながら関連知識を補足し、沈黙を避けて誠実に対応しました。これにより、大きく評価を下げずに済んだと思います。

    また、面接官を「お客さま」と想定し、「お客さまのために最適な提案をしたい」という姿勢を態度と言葉で示すよう意識しました。「現時点では確認が必要ですが、必ず最適な提案を検討して対応します」といった誠意ある表現は、顧客志向として評価されやすいと感じています。この心構えが、面接全体の印象を良くした要因だと思います。
  1. 最後までやり切る覚悟と精神面の切り替え
    試験直前まで不安はありましたが、「できる限り準備したのだから、あとは受け止めるだけ」と気持ちを切り替えられたことで集中力が高まりました。FPキャンプの教材をやり切ったという自信が、緊張を和らげてくれました。

    試験当日は午前3時に起きて動画を見返し、最後まで諦めない姿勢で臨みました。「どうにかなるはずだ」と前向きな気持ちで挑めたことが冷静さにつながり、合格を後押ししてくれたと感じています。

「面接官=お客さま」と捉え、誠意ある対応を心掛けることが鍵  

「面接官をお客さまと思って対応する」ことが重要です。分からない質問でも沈黙せず、「確認後に最適な提案をします」と誠意を示してください。面接官の誘導やヒントには素直に乗り、感謝を伝えると印象が良くなります。

正確性・誠意・顧客目線の三つが、合格への鍵だと感じています。

FPキャンプについて

「ガイダンス講義」「インプット編:テーマ解説講義 Part I(相続・事業承継)」「インプット編:テーマ解説講義 Part II(不動産)」「アウトプット編:事前準備編」「アウトプット編:コミュニケーション編」「僧侶FPとやまの今日の一問チャレンジ(メルマガ)」です。

試験当日の流れ~必須の質問や解答方法について、FPキャンプで教えていただいた通りだったので、慌てることが少なかったです。また、設問を読む時間のメモの取り方も当日非常に役立ちました(ただ練習不足につき十分に活用しきれなかったようにも思います)。

まったく不満ありません。もっと料金が高くても良いくらいかと思いました。

FPキャンプは実務に役立つ知識の再インプットとアウトプットの反復学習に最適

5点です。1級学科試験の基礎編対策では「合格するための学習」にとどまってしまっていましたが、実技試験コースのインプット編では、実際のお客さまのお悩みに対応するための知識を改めて深く学び直すことができました。

教材は図が多く理解しやすいため、何周も繰り返し見ることができました。アウトプット編は十分な時間が取れませんでしたが、模範解答があるおかげで、自分の言葉で説明できるようになるまで反復でき、大変助かりました。

FP1級の活かし方

顧客体験向上の業務にFPの視点を活かし、キャリアの幅を広げたい

現時点では具体的な計画はまだ固まっていませんが、資格取得を決めた当時は営業職だったため、FP1級の知識を活かしてお客さまにより良い提案をしたいと考えていました。

現在は保険加入時の新契約手続きにおける顧客体験向上を企画する部署に所属しており、FP学習を通じて培った「お客さまに価値を提供する」という姿勢を活かし、顧客目線での改善に取り組みたいと思っています。

資格取得によってキャリアの選択肢が広がり、自信にもつながりました。今後もこの知識を業務改善や顧客体験の向上に役立てていきたいと考えています。

試験勉強を通じて知識の幅が広がり、継続力が身についたことが大きな成果

合格そのもの以上に、「知識の幅が広がり、金融や保険に対する理解が深まったこと」が大きな収穫でした。FP1級の学習を通じて、事業承継・相続・税務など、普段の業務では触れる機会が少ない分野への理解も深まりました。その結果、顧客体験向上の企画を考える際に、より広い視野で価値提供ができるようになったと感じています。

また、長期間の学習をやり抜いた経験は、「計画を立てて継続する力」の習得につながりました。仕事や家庭との両立で時間が限られる中でも、早朝学習や隙間時間の活用を続けた経験は、今後のキャリアの大きな財産になると思います。

受験生へのメッセージ

FP1級の学習は範囲が広く不安になることもありますが、FPキャンプの教材を信じてやり切ることが合格への最短ルートです。動画やテキストを繰り返し確認し、理解が曖昧な部分はノートに整理して補強しましょう。

面接では「面接官をお客さまだと思って対応する」ことが大切です。分からない質問でも沈黙せず、可能な範囲でお答えし、「確認後に最適な提案をします」と誠意を示してください。

最後まで諦めずに努力すれば必ず結果はついてきます。私自身、試験当日は午前3時に起きて動画を見返しました。実技試験の「合格」という文字を見た瞬間の達成感は格別でした。FPキャンプを信じて、どうか最後までやり抜いてください。努力は必ず報われます。

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