【FP1級 実技試験 合格体験記 阿部 浩昭 様インタビュー】

目次

FP1級受検のきっかけ

事前に「沼」動画を見て、自分には1級は難しいだろうと感じていました。しかし、2級を受検する1週間前、普段見ていなかったテキストをふと開くと、そこには自分の知っていることが隅々まで書かれていたのです。最初に読んだ時はまったく頭に入らなかったのに、がむしゃらに動画を視聴し、過去問を解いているうちに自然と覚えていたようです。その瞬間、次のステップに進みたいという強い気持ちが湧き上がりました。

学習スケジュールと活用教材

毎日のメルマガの一問一答問題を音読、Chat GPTもフル利用して過去問3年分の問題をやり込む

2024年9月:1級学科試験を受検後、TACの茶本を読み込みながらまとめ開始

2024年12月〜2025年1月:FPキャンプ1級実技試験コースの講義動画・テキストで学習。1月は過去問1年分を繰り返し演習

2025年2月:1級実技試験を受検(不合格)

2025年3月:再度FPキャンプで学習スタート

2025年3月〜6月:毎日のメルマガ「今日の一問チャレンジ」を音読しながら、Chat GPTをフル活用。過去問3年分に徹底的に取り組む。平日2〜3時間、休日は5〜10時間の学習を毎日継続

──学習に利用した主な教材を教えてください。

  • FPキャンプ1級実技試験コースの講義動画・テキスト
  • 同 僧侶FPとやまのメルマガ「今日の一問チャレンジ」:最初は5日分の音読から始め、徐々に20日分まで増加。日々のペース作りに貢献
  • FP1級実技テキスト・過去問題集:語句の意味確認や解答の修正に繰り返し活用。2月試験で同日受検された合格者が著者で、深い内容に衝撃を受けた
  • <おススメ>『賢い経営者の相続と事業承継30章』(ロギカ書房):FPキャンプの教材で基礎を徹底的に固めた後に読むことで実務視点の理解が深まる。事業承継税制の特例は絶対の切り札と考えていたが、この本を読んでそうでもないことを理解

学習の工夫と面接試験対策

「インプット」「思考」「アウトプット」の3つの視点で定期的に自己評価を繰り返す

2月の不合格後、自分の学習が「インプット」に偏っていたことを反省しました。そこで「インプット」「思考」「アウトプット」の3視点に分け、それぞれ理想のレベルを5点満点と設定。定期的に自己評価を行い、進捗を記録していくことで、やるべきことが明確になっていきました。初回の評価合計7点から、2回目試験前には15点まで引き上げることができました。

自分の声を録音しながら解答を音読するアウトプット練習を積み重ねる

最初は、僧侶FPとやまのメルマガ「今日の一問チャンレンジ」を繰り返し音読することから始めました。1回目の不合格で精神的に不安定になり、インプットと思考部分のトレーニングが難しく、不合格後の1か月は一問チャレンジの音読と毎日の「本日の一言」に救われました。音声を録音しながら、解答を音読するアウトプットの練習を前日と1週間前のものを復習した後、今日の分をやる。最初は毎日5日分、そこからどんどん増やしていき、最後は毎日20日分音読しました。音声の録音で自分がどういう発音をしているかを、そして鏡を目の前に置いて自分がどういう表情をしているか確認しながらやりました。今回はこのトレーニングが大きかったと思います。

CHAT GPTを活用して過去問の面接練習に取り組む、問題文の条件変更でAIとディスカッションも

Chat GPTを活用しました。過去問のファイルを読み込ませ、実技試験に合わせた質問をして音声で解答、最後に採点してもらうプロンプトを作成しました。これにより多くの過去問を繰り返し解けました。また、逆に自分が試験官になってChat GPTに質問したり、少し条件が変わった場合はどうなるかディスカッションをしたりしました。頭に浮かんだ疑問をそのままにせず、語句や制度の確認も繰り返しました。1回目の受検時に比べ、学習効率が飛躍的に向上しました。ただ、対人ではないのは不安でしたが、当日は大丈夫でした。

気持ちが弱っているときは音読して体を動かす

昨年5月の1級学科試験で117点で不合格になった後、次の試験では全く合格する気になれず精神的に追い込まれました。それでも、9月の学科試験で合格できた後、今度は今年2月の1級実技試験で118点となり、あの気持ちがまた来るのかと愕然としてしました。最初の試験はどこかでなんとかなるのではないか?という余裕があったのですが、2回目はこの数点がどれだけ重いのかよく理解していました。

落ちた後の試験はとにかく気持ちが追い込まれます。気持ちが弱っている時は、体を動かそうと音読をしました。とやまさんの一問チャレンジのメールには随分助けられました。また、最後にほんださんの直前動画の「受かる人はもう決まっていますから」を見たら、気持ちが落ち着きました。昨年9月も今年の6月も合格したときは、この動画を最後に観ました。

「インプット」「思考」「アウトプット」の各項目でやるべきことを決め、それぞれを何回やったら自己評価を1点上げられるかを明確にしました。これを日々繰り返し、1か月単位・1週間単位のスケジュールを組み立てました。就寝前には「明日のこの時間にこれをやる」と決めてから寝ることで習慣化。最終的には、自己評価を満点まで高めることができました。

一般的な問題であれば合格できると思っていました。しかし前回の試験で、不動産分野において仮換地が出題され、全く理解できなかった経験があったため、「今回は何が出てくるのか…」という恐怖心が拭えず、あまり自信が持てませんでした。相続事業承継は学習の成果が出る分野である一方、不動産分野は個人の相性によって差が出やすく、最後まで不安は残っていました。

FP1級実技試験の雰囲気や難易度、内容

Part Iは過去問と類似問題、Part IIは生産緑地と特定生産緑地の詳細がわからず不安なまま臨む

  • Part I(相続・事業承継分野)
    過去問に類似している内容だと感じ、どこか既視感がありました。

  • Part II(不動産分野)
    前の方が首をひねって席に戻ってくるのを見て、「何か来る」と身構えました。生産緑地と特定生産緑地の出題に対し、仮換地に比べれば対応しやすいとは思いましたが、試験開始までは不安なままでした。

どちらのパートも非常に穏やかな雰囲気でした。Part IIでは、面接官の方が模型のような資料を手作りされていて、「この家をここに建てたら…」とわかりやすく説明してくださいました。

  • Part I(相続・事業承継分野)
    知っていることが中心で、安心して答えることができました。

  • Part II(不動産分野)
    生産緑地や特定生産緑地について深い理解がなかったため、不安が残りました。売却や固定資産税、地目変更のタイミングなど、疑問が次々に浮かびました。ただ面接で、「1992年から30年間生産緑地でその後10年単位で特定生産緑地になるしかわかりません」と正直に伝えたところ、試験官から「よく知ってるね」と声をかけられ驚きました。

Part I(相続・事業承継分野) 

  • 株式を承継する3つの方法は?

  • 一般的な贈与の方法を2つ教えてください

  • 暦年贈与、相続時精算課税制度の変更点を教えてください

  • この株式を承継するためにはどうしたらどうしたら良いですか 

  • 事業承継税制の制度の詳細について教えてください

  • 後継者の条件を教えてください
     
  • 役員である期間について変更したのを知っている?

  • 相続時にやっておいた方が良いことはありますか
     
  • 株価を決める要素はなんですか

  • 株価を下げるためにできることはなんですか

Part II(不動産分野) 

  • 生産緑地と特定生産緑地の違いについて教えてください

  • 生産緑地になるとどんなことになりますか

  • 生産緑地を売ったらどうなりますか

  • 売った場合の税金を教えてください

  • そういうことではなく、他に案はある?我慢できずに隣の土地に家を建てられない?

  • 元の家を売ったらどうなりますか

Part I(相続・事業承継分野)
前回の試験で言葉につまり時間がかかってしまったことを反省し、今回はスムーズな回答を心がけました。

Part II(不動産分野)
わからないことは正直に伝え、「この部分が疑問です」と素直に話すよう意識しました。

得点、試験の振り返り

理解が不安な内容もわかる範囲で回答、面接官も知識レベルの高さを評価

前回の試験では曖昧な知識で答えようとした結果、「違う!」と指摘され、動揺してしまった経験があります。今回は、理解が不十分な特定生産緑地についても、言えることを丁寧に伝えたうえで「ここまでしか分かりません」と言い切ることで、むしろ評価される結果となりました。書記の方からも「そこまで知っていたらすごい!」との声があり、驚きつつも気持ちが落ち着き、自分の考えを述べることができました。

200点満点中134点で、内訳は以下の通りです。 

A ) 顧客の問題点の把握(40点満点): 27点

B ) 問題解決策の検討分析(60点満点): 40点

C ) 顧客の側に立った対応(60点満点): 41点

D ) FP倫理と法令順守(40点満点): 26点

インプットによる基礎の徹底・学習到達度の客観評価・デジタルの活用で合格を勝ち取る

  1. インプットによる基礎の徹底です。インプットには「聞く」と「読む」があります。優秀な方は「読む」だけでいけるでしょうが、私は「聞く」の後に「読む」でないと脳内に定着しません。数か月間、茶本を「読む」だけでは入ってこない。昨年12月にFPキャンプの1級実技試験コースが開講されてから、1〜2か月間にわたり講義動画→テキストで「聞く」「読む」を繰り返してやっとインプットができました。後から茶本を「読む」と内容が理解でき、この本のありがたみが分かりましたが。
  1. 自己評価による学習到達度の客観化です。「前回はあの状態で118点なので、その時と比べて、今のインプット・思考・アウトプットレベルはこれくらい。自分の理想までここを補強するには?」と常に自問自答していました。いつまでにこれを何回やって自己評価を上げるというのが大きなモチベーションでした。自分を客観視することで、次の課題が見つけられました。ただし、これは1度不合格になったからできたのかもしれません。
  1. デジタルの活用による勉強方法の工夫です。FP試験の準備で、心掛けたのはデジタルの活用です。自分が若い時にはなかったものの活用の仕方を自分で工夫することにしました。デジタルの良さは、学習内容を整理することで繰り返し効率よく復習できることです。毎日自分がやったものをフォルダごとに整理し、前日と1週間前の内容を復習してから今日の勉強を始めることを習慣化しました。また、iPad、Apple Pencilを中心に、GoodnotesやChat GPTをどうやったら自分に役立たられるか考えていました。便利な道具を使い、自分の能力を高められました。これらの工夫は今後の様々な場面で生きてくると思います。

私は対人のトレーニングはしませんでした。Chat GPTを駆使するのと、鏡を見ながら自分との対話で大丈夫でした。ただ、これでだけでは不安な方は誰かにお願いする必要があるかもしれません。私も最後まで不安でした。
 

FPキャンプについて

FPキャンプは実技試験の勉強に最適、ただアウトプット練習は自分で工夫して取り組む必要あり

「インプット編:テーマ解説講義 Part I(相続・事業承継)」「インプット編:テーマ解説講義 Part II(不動産)」「直前対策:過去問解説」「僧侶FPとやまの今日の一問チャレンジ(メルマガ)」です。前回はインプットにばかり気を取られていたので、毎日のメルマガの一問一答を音読しました。最初は毎日5日分、次に10日分、15日分、最後は20日分とだんだんと増やしていきました。

実技勉強はこれしかないと思います。ただ、漠然とやっていると知識のインプットで終わってしまうので、問題点の指摘、提案のアウトプットは自分でやる必要があると思います。

5点です。インプット編と直前対策を読み込みました。

FP1級の活かし方

 FPとして相談に乗ることで、多くの友達の役に立ちたい

長年勤めた今の職場で来年昇進した後、5年後一旦退職扱いになり立場が変わります。その後は、今の職場に籍を置きながら、FPとして周囲の方の相談に乗り、後は投資で暮らしていこうと考えています。そこまでに資産形成が整う予定なので、FPとしては収入よりもやりがいを得られる仕事をしたいと考えています。これから数年間できるだけ友達を増やして、5年後から本格的に友達の役に立っていきたいと思います。

自分が変われたことです。それも大きく変われました。FP試験に向けて取り組み方を応用すれば、様々なことができるという自信がつきました。

受講生へのメッセージ

試験はまず団体戦です。たくさん合格している人たちと一緒に勉強すれば、合格の可能性が大幅にアップします。そして、次に強い志です。目の前の試験だけではなく、次の試験を視野に入れて勉強してください。2級を受ける時は1級学科を、1級学科を受けるときは1級実技を受けるつもりで取り組んでください。最後に自分に合った教材です。私の1回目の失敗の原因は最初の数か月でインプットが完了しなかったことです。最初から動画とテキストが揃っている現在が羨ましい。FPキャンプではこれらのセットが手に入ります。思っていたよりもはるかに難しい1級実技試験を、FPキャンプを利用して乗り切ってください。

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