
FP1級受検のきっかけ
──最初にFP1級を取得しようと思ったきっかけについて教えてください。
そろそろ定年を迎えるにあたり、年金について学びたいと思い調べたところ、FP資格が年金をはじめとするお金の知識を学べることを知りました。これが2023年8月頃です。まずは3級から勉強を始め、2024年1月に3級、同年5月に2級に合格。その後、FPの最高峰である1級に挑戦しようと学習を開始しました(ほんださんから「2級の上に1級がある」と伺ったことも、取得を目指すきっかけの一つになりました)。
学習スケジュールと活用教材
1級学科試験合格後、FPキャンプ実技試験コースのインプット編→アウトプット編、過去問演習の順で学習
──次に学習方法などについてお伺いします。まず2025年6月試験までのおおまかな学習スケジュールを教えてください。
2025年1月26日に1級学科試験を受検し、自己採点で153点だったため、その日のうちにFPキャンプの1級実技試験コースに登録しました。3月までは、平日の通勤時間(往復2時間)や、会社に早めに行っての1時間、昼休み30分を使ってインプット編のテーマ別解説を学習しました。休日(土日)はそれぞれ5時間ずつ確保し、テーマ別解説に加えてアウトプット編にも取り組みました。
3月中旬に定年退職したため、それからは1日3〜5時間を使ってコンテンツの周回を重ねました。5月以降は、FPキャンプのサトシ講師による過去問解説と同一内容の金財過去問を印刷し、時間を計って演習→答え合わせ→理解の定着を繰り返しました。
──学習に利用した主な教材を教えてください。
- FPキャンプ1級実技試験コースの各コンテンツ
- FP寺子屋(合格祝賀会参加者限定の面接対策実践講義 ※現在は休止中)
- note掲載の受検生体験記
- ラスパーさんのナンバーズ・伏線回収テキスト
- 田畑先生のFP1級実技過去問題集
学習の工夫と面接試験対策
実際の試験問題と同じA3サイズで過去問を印刷して時間を計りながら解く演習を重ねる
──学習を進めるにあたり、自分なりに工夫した点はありますか。
試験前1か月で、金財の過去問(直近3年分・12回分)をコンビニでA3サイズに印刷し、実際の試験時間に合わせて演習を行いました。演習後は田畑先生の解答・解説を見ながら答え合わせを行い、間違えた問題はFPキャンプのテーマ別講義で徹底的に復習しました。
──本番の面接形式の練習をどのようにされましたか。
面接形式の練習はほぼ行いませんでしたが、試験1週間前にFP寺子屋で模擬面接を体験でき、非常に参考になりました。自分自身でも、PART Iの相談内容・問題点・FP倫理、PART IIのAさんに聞くこととFP自身が調べることを声に出して繰り返し練習しました。
──対面やオンラインでの面接試験の練習は実施しましたか。
実施していません。振り返ると、1〜2回は取り入れておいた方が良かったと感じています
知識があやふやなところはまとめノートに書き出し定着を図る
──学習を進めるにあたり、一番大変だったことは何ですか。また、その困難をどのように乗り越えましたか。
1級学科試験の内容を忘れている部分が多く、PART I・PART IIともにテーマ別解説を覚えるのが大変でした。理解が曖昧な箇所をノートにまとめて書き出し、復習を重ねることで、3周目くらいで知識が定着してきたと感じました。
──勉強を優先したことで、犠牲にしたことはありますか。
2025年4月から社労士試験の学校に通い始め、社労士の学習と1級実技試験の勉強を並行して進めていました。しかし試験前は1級実技試験に集中するため、社労士の勉強時間を削りました。
──受検前の学習はスケジュール通り進めることができましたか?試験前の学習の進捗状況について具体的に教えてください。
① 2月〜4月:FPキャンプのインプット編 テーマ別解説を徹底的に学習
② 4月〜5月:アウトプット編を中心に演習
③ 5月〜6月:noteの体験記・直近3年分の過去問を印刷し演習。理解が曖昧な部分はテーマ別講義に戻って復習。
──受検前の自信のほどはいかがでしたか?
5か月にわたってしっかり学習しましたが、面接形式の練習はFP寺子屋のみだったこともあり、正直なところあまり自信はありませんでした。
FP1級実技試験の雰囲気や難易度、内容
Part Iは設例読みの段階で面接の道筋を立てられたものの、Part IIは一部問題の論点が見えないまま面接に臨む
──次に試験についてお伺いします。まず、設例に目を通した時点での感想を教えてください。
- Part I(相続・事業承継分野)
設例を読んだ段階で、ある程度の道筋は立てられたように感じました。 - Part II(不動産分野)
自筆証書遺言が問われるとは予想しておらず、設例4の意図もよく理解できないまま面接に臨みました。それ以外の部分は問題なく対応できると思いました。
──面接の雰囲気はいかがでしたか?
- Part I(相続・事業承継分野)
面接官の方は穏やかな印象で、終始和やかな雰囲気でした。書記の方も常に頷いてくださり、落ち着いて話すことができました。おそらく弁護士の方だったのではないかと思います。 - Part II(不動産分野)
こちらも穏やかな雰囲気で進行しました。Part I同様、書記の方が頷きながら聞いてくださり、面接官は税理士の方だったのではないかと感じました。
Part I&IIともに穏やかな面接、「持ち帰ります」も言うことなくわかる範囲でしっかりと回答
──質問の難易度はいかがでしたか。
- Part I、Part IIともに、持ち帰り対応はせず、自分のわかる範囲でしっかり回答できたと思います。
──面接ではどのような質問が出ましたか。覚えている範囲で教えてください。
Part I(相続・事業承継分野)
- 設例を読んで相談内容と問題点を挙げて下さい
- 不動産社有方式とサブリース方式どちらが良いと思いますか?
- それは何故ですか?
- 本件で法人の設立することは有利ですか?
- 事業用定期借地権を解約することはできますか?
- 自筆証書遺言保管制度について教えて下さい。
- メリットは?
- 遺産分割に関して何かアドバイスはありますか?
- FPの倫理は?
- その中であなたが重要視するのは?
- それは何故ですか?
- 相続が続いた時に使える特例等はありますか?
Part II(不動産分野)
- 設例を読んで頂いたと思いますが、Aさんに聞くことは何ですか?
- 他にはありませんか?義兄Dさんとは?
- では、あなた自身が確認する項目は?
- 自筆証書遺言が有効とされるのはどのような形式的要件がありますか?
- 財産目録に何かしませんか?(お助け質問)
- 捺印は実印がいいですか?
- 遺産分割にあたってAさん家族はどのような主張ができますか?
- Cさんの遺留分はどのくらいになりますか?
- 4について、これよくわからないと思うけど、どうかな?
- 相続税評価額で財産が少なく見積られたら、Cさんの相続財産が少なくなりますね。少しでも評価額が上がるようにするためには、誰かに見てもらった方がいいのですが、不動産の価格は誰に見て貰う?
- ところでCさんはどの財産を分けてもらうのが良いと思う?
- では、本事案に関する専門家を何をするかを一緒に教えて下さい。
- 確定申告をしてと頼まれたらどうします?
得点、試験の振り返り
受け応えは「元気よく」を心掛ける。アドバイスや指摘にはお礼を述べる
──面接の受け応えで気を付けたポイントや反省点について教えてください。
元気よく、明るく受け答えすることを意識しました。お助け質問があった際は「ありがとうございます!」としっかりお礼を述べ、間違いに気付いた時もすぐに訂正するよう心掛けました。
──回答が分からない質問に対してどのような受け応えをしましたか?
「持ち帰ります」「わかりません」は極力使わず、自分の理解できる範囲で誠実に答えることを意識しました。結果的に、それらの返答は必要ありませんでした。
──試験後の手ごたえはいかがでしたか?
思ったほど緊張せずに面接に臨むことができました。面接官との対話もスムーズで、キャッチボールができていたと感じています。
──実際の点数はいかがでしたか?
200点満点中129点で、内訳は以下の通りです。
A ) 顧客の問題点の把握(40点満点): 26点
B ) 問題解決策の検討分析(60点満点): 38点
C ) 顧客の側に立った対応(60点満点): 37点
D ) FP倫理と法令順守(40点満点): 28点
FPキャンプ インプット編での基礎知識の定着・アウトプット編での解き方の流れの体得・本番を意識した過去問演習が合格へのカギ
──25年6月試験で合格できた要因を3つあげてください。
- 1月学科試験から約5か月間の闘いでしたが、不動産分野と相続事業承継分野は、学科試験の内容がかなりあやふやだったので、1級学科試験後約3か月間は、FPキャンプ1級実技コースのテーマ別解説を毎日時間を決めて、何回も何回も学習し、基礎的な事を徹底的に叩き込んだことにより、知識の定着が図れたことが、1番の要因であったと思います。
- 初めての面接形式での試験で、全く対応がわからなかったのですが、FPキャンプのテーマ別解説を学習・定着後、FPキャンプのサトシ講師のアウトプット編、コミュニケーション編を残り2か月間弱で徹底的にやりました。またテーマ別解説の一問一答を声に出して答えを言ったり、サトシ講師の過去問の解き方を何回も視聴してPART IとPART IIそれぞれの解き方の流れを体得したことが、第2の要因だと思います。
- 過去問を徹底的にやりました。具体的には、①サトシ講師の過去問解説と同じ過去問をコンビニでA3に印刷して、設例読みの15分を時間を計って解答し、サトシ講師の答えとどこが違うのかと答え合わせを全問やりこんだこと、②田畑先生の過去問題集(過去3年分)も同様にA3に印刷して、15分の設例読み、解答等を参考書と照らし合わせて徹底的にやったこと、③FP寺子屋に参加して実技の面接の擬似体験ができたことの3つが第3の要因だと思います。
FPキャンプの受講がきんざい1級実技試験合格への近道
──今後実技試験を受けるFPキャンプ受講生に面接の受け応えに対するワンポイントアドバイスをお願いします。
FPキャンプのコンテンツは非常に充実していますので、これを活用することが1級実技試験合格への近道だと思います。
FPキャンプについて
──次にFPキャンプについて伺います。FPキャンプで特に役立ったコンテンツとその理由について教えてください。
すべてのコンテンツが非常に役立ちました。初めて実技試験に挑戦する立場だったので、どれも大変ありがたかったです。
──コストパフォーマンスについてはいかがですか。
料金以上の価値がありました。むしろもっと高くても良いと感じたほどです。
──FPキャンプを5段階で評価すると何になりますか(「1」が最低、「5」が最高)。
5点です。特にアウトプット編と直前対策が非常に効果的でした。
FP1級の活かし方
社労士も取得してFP1級とのダブルライセンスで開業を目指す
──次に今後の展望についてお伺いします。FP1級の資格を今後の仕事や生活でどのように生かしていきたいですか。
今後は社労士資格も取得し、FP1級とのダブルライセンスで開業を目指しています。
試験勉強を通じて、学ぶ楽しさと努力すれば目標を勝ち取れることを実感
──FP1級試験の勉強を振り返って、数々の犠牲を払いながら学習を継続して良かったと感じているのはどのような点になりますか。
最も良かった点は、学ぶことの楽しさを実感できたこと。そして、努力すれば必ず目標を達成できるという確信を持てたことです。
受講生へのメッセージ
──最後に、FPキャンプで学ぶ受講生へのメッセージをお願いします。
FPキャンプのコンテンツは本当に素晴らしいです。キャンプを信じて学び続ければ、きっと合格を勝ち取れます。みなさん、頑張ってください。