
FP1級受験のきっかけ
──最初にFP1級を取得しようと思ったきっかけについて教えてください。
「若いうちから金融リテラシーやお金の知識を身につけ、将来お金で困ることがないようにしたい」という思いからFPの勉強を始め、2025年1月試験で2級に合格しました。ただ、合格後に振り返ってみると、せっかく学んだ知識を人に説明できるほど深く理解できていないことに気づき、「試験のための勉強になってしまっていた」と感じました。
1級は非常に難易度の高い試験であると分かっていましたが、1級合格レベルの知識を身につければ、自分や家族の人生に必ず役立つと考え、受験を決意しました。さらに幸運なことに、素敵なご縁があり、学生の身でありながら受験資格を満たせたことも大きなきっかけとなりました。
学習スケジュールと活用教材
──9月試験に向けたおおまかな学習スケジュールを教えてください。
2025年6月末にテキストを購入しました。7月までは大学のテスト期間と重なり、1日1~2時間ほどしか勉強できませんでしたが、8月以降は勉強時間を増やし、試験直前期の土日は1日12時間ほど集中して取り組みました。
学習の流れとしては、まずビジネス教育出版社の「合格テキスト」を1周して全体像をつかみ、その後はFPキャンプのカリキュラムに沿って、応用編→基礎編の順で進めました。
──学習にあたって主にどのような教材を活用しましたか。
- テキスト:『2025-2026年版 FP1級技能士(学科)合格テキスト』(ビジネス教育出版社)
- 問題集:FPキャンプ式 FP1級学科試験一問一答『TEPPEN』(LEC出版)
- オンラインスクール:FPキャンプ FP1級学科試験合格コース
学習の工夫とモチベーション維持法
TEPPENや教材をすべてiPadに入れてスキマ時間も活用。デジタル学習で勉強のハードルを下げる
──学習を進めるにあたり、自分なりに工夫した点はありますか。
少しでも勉強時間を確保できるように、公式問題集「TEPPEN」を電子化してiPadに取り込み、通学中の電車内でも解けるようにしました。また、FPキャンプの教材もPDF配布だったため、同様にiPadに保存して活用。分厚い教材を開く必要がなくなり、学習のハードルが下がったことで、よりスムーズに学びを進められました。
通学時間の活用やカフェ・図書館など集中できる環境に身を置いて勉強
──学習を進めるにあたり、一番大変だったことは何ですか。また、その困難をどのように乗り越え、学習のモチベーションを維持しましたか。
一番大変だったのは、「机に向かって勉強すること」そのものです。もともと勉強習慣がなかったため、集中力が続かず、友人からの誘いを優先してしまうこともありました。どうやって1日の中で勉強時間を確保するかが最大の課題でした。
思うように進まない日もありましたが、通学時間を活用して問題を解いたり、カフェや大学の図書館など集中できる環境に身を置いたりと、自分が勉強しやすいスタイルを工夫することで乗り越えました。
──勉強を優先したことで、犠牲にしたことはありますか。
試験直前期は、友人からの遊びや食事の誘いをすべて断ちました。また、以前は食事中にYouTubeを観るのが日課でしたが、試験前はほんださんの講義動画を観ながら食事をするようにしました。さらに、友人との旅行予定もお願いして試験後に変更してもらうなど、アルバイトやインターンの時間以外は基本的にすべて勉強に充てました。
基礎編はTEPPENを徹底的にやり込む、応用編計算問題は動画と模試で実戦力を養う
──受験前の学習はスケジュール通り進めることができましたか?試験前の学習の進捗状況について、基礎編、応用編(計算問題・穴埋め問題)それぞれについて具体的に教えてください。
基礎編
- 基礎編は範囲が非常に広く、しかも過去問では見かけないタイプの問題も出題されることを知ってからは、「高得点を狙うのはコスパが悪い」と考えました。そこで、TEPPENに掲載されている問題は確実に正解できるように、徹底的に繰り返し演習しました。また、一問一答形式の問題では、単に〇×で答えるのではなく、「なぜその答えになるのか」を自分の言葉で説明できることを「問題が解けた」基準に設定。最終的には、TEPPENの基礎編対策パートを3~4周しました。
応用編計算問題
- まずFPキャンプの講義動画を一通り視聴し、その後にTEPPENの計算問題を自力で解き、解答やヒントを見ずに解ききれるまで何度も演習を重ねました。応用編の学習では、直前対策講座Premiumの存在が大きかったです。講座内で実施された模試が良い目標となり、「試験1か月前には応用編をある程度仕上げておく必要がある」というプレッシャーが、学習の優先順位を明確にしてくれました。その結果、模試では6割の得点を取ることができました。
応用編穴埋め問題
- 時間的な余裕があまりなかったため、基礎編の学習をしっかり行えば、穴埋め問題もある程度対応できるだろうと考えました。そこで、解説動画は視聴せず、FPキャンプのテキストを印刷して赤シートを活用しながら暗記を進めました。とにかく時間を有効に使うことを意識し、短時間でも集中して暗記するようにしていました。
──受験前の自信のほどはいかがでしたか?
試験1か月前の模試で応用編は6割を取ることができ、自信を持って臨むことができました。ただし、基礎編は過去問演習や模試でも点数が6割前後を行ったり来たりしていたため、試験当日まで不安は拭えませんでした。
──試験を受けた感想・手ごたえを教えてください。
試験を終えた直後の感想は「不合格かもしれない」でした。特に応用編では、今まで見たことのない出題形式が多く、自信を持っていた分、不安が大きかったです。自己採点では118点とギリギリの点数で、合格発表までずっと落ち着かない日々が続きました(最終的には123点で合格できました)。
仲間と支え合いながら本質的な解法プロセスを身に付ける学習を毎日継続することで合格をつかむ
──25年9月試験で合格できた要因を3つあげてください。
- たとえ短い時間でも毎日勉強を続けたこと
合格のカギは「勉強を習慣化すること」だと思います。忙しい日や疲れている日でも、たとえ5問だけでも机に向かうことを意識しました。続けるうちに、勉強することが当たり前になり、逆に「勉強しないと落ち着かない」感覚に変わりました。前日より勉強時間が短いと焦りを感じるようになったのも、良い意味での成長だったと思います。 - 問題演習の「解き直し方」にこだわったこと
過去問を解くとき、ただ解説を聞いて理解した気になるのではなく、「なぜ間違えたのか」「どうすれば次に解けるようになるか」を深掘りしました。特に、「どんな考え方をしていればこの問題を解けたのか」「知らない問題でもどうすれば選択肢を絞れたのか」といった思考プロセスを意識したのが大きかったです。この取り組みにより、単なる知識の補充ではなく、自分の弱点を明確にして本質的な理解につなげることができました。 - 一緒に頑張る仲間の存在
私の周りには、FP試験以外の資格に挑戦している友人や、医学部で学んでいる仲間がいました。内容は違っても、「何時にどこで勉強しよう」と約束して一緒に勉強することも多く、仲間の存在が大きな励みになりました。怠けそうになったときも、頑張る仲間がいたことで気持ちを立て直すことができ、最後まで走り抜けることができたと思います。
FPキャンプについて
──次にFPキャンプについて伺います。まず、FPキャンプを利用しようと思ったきっかけについて教えてください。
2級まではYouTubeの「ほんださんFPチャンネル」で学習を進めていましたが、1級の勉強に入るにあたって、「より質の高い学びを得るにはどうすればよいか」を考え、FPキャンプにたどり着きました。
FPキャンプを軸にテキストを理解の補助教材として活用して効率的に学習を進める
──FPキャンプをどのように活用しましたか。
FPキャンプは、私の学習の中心的な存在でした。すべてのコンテンツを利用したわけではありませんが、「FPキャンプの内容をしっかり理解できれば大丈夫」という安心感があり、学習の軸をFPキャンプに据えました。そのうえで、自分が苦手だと感じた部分や理解が浅い分野については、市販のテキストなどを使って補うようにしました。結果として、効率的かつ効果的に学習を進めることができたと思います。
──FPキャンプで特に役立ったコンテンツを教えてください。
応用編の計算問題の解説動画が、特に印象に残っています。ほんださんの解説はわかりやすいのはもちろんのこと、単なる問題の説明にとどまらず、「問題を見たときにどう考えるべきか」「今後どのように勉強を進めればよいか」といった学び方の指針まで示してくださる点が、とても有意義でした。
FPキャンプにはガイダンスから基礎編・応用編対策まで、合格ルートが体系的に整備されている
──FPキャンプを利用した全体的な感想を教えてください。
FPキャンプには、ガイダンスから基礎編・応用編対策まで、FP1級合格に必要なルートがすべてそろっていると感じました。迷うことなく学習を進められる環境が整っており、本当に頼れる教材だと思います。
──FPキャンプを5段階で評価すると何になりますか(「1」が最低、「5」が最高)。
「5」です。これほど内容が充実している講座は他にないと思いますし、FPキャンプなしでは合格できなかったと感じています。正直、FP1級合格を目指すうえで必須のコンテンツだと思います。
──次は実技試験が待っています。実技試験に向けて現在どのように学習を進めていますか。
次の2月試験での受験を予定しています。現在は、過去問を確認したり、FPキャンプBlogの「FP1級きんざい実技過去問解説記事」を読み込んだりして、出題傾向や解答の流れをつかむようにしています。
大学生という立場を活かして、FP資格の新たな活かし方を模索していきたい
──実技試験に合格してFP1級を取得したら、今後の仕事や生活でどのように生かしていきたいですか。
現時点では、FP資格を直接活かす場面はまだ多くありませんが、学んだ知識は今後の人生で必ず役立つと確信しています。特に、若いうちから知っておくべき制度や、早めに行動することの重要性を学ぶことができました。今後は、身につけた知識を自分の人生に活かすだけでなく、家族や友人にも良い影響を与えられるようになりたいと思います。また、大学生という立場を活かして、FP資格の新しい活かし方を模索しながら、さまざまなことに挑戦していきたいです。
社会や人生について自分で考えられるようになったことが最大の成果
──FP1級学科試験の勉強を振り返って、数々の犠牲を払いながら学習を継続して良かったと感じているのはどのような点になりますか。
最も良かったのは、社会問題や自分の人生について自分の頭で考え、意見を持てるようになったことです。FPで学ぶ内容は、すべて自分の人生に関わることばかりです。資格を取ること以上に、この知識を得られたこと自体が、学習の大きな成果だと感じています。
受講生へのメッセージ
──最後に、FPキャンプで学ぶ受講生へのメッセージをお願いします。
FP1級は、2級までとは次元の違う、本当に難しい試験です。ですが、FPキャンプには合格に必要なすべてがそろっています。今取り組んでいる学習内容、そして自分の努力を信じて続ければ、必ず合格できます。
私は大学生という立場で、夏休みなどのまとまった時間を活用して勉強できましたが、社会人の皆さんが日々の仕事と両立しながら学習に取り組まれていることを思うと、心から尊敬します。限られた時間の中で努力を続ける姿勢は、本当に素晴らしいことだと思います。
皆さんの挑戦を心から応援しています。
