
24歳で独学により1級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得。2021年に「ほんださん / 東大式FPチャンネル」を開設し、32万人以上の登録者を獲得。
2023年に株式会社スクエアワークスを設立し、代表取締役としてサブスク型オンラインFP講座「FPキャンプ」を開始。FPキャンプはFP業界で高い評価を受け、2025年9月のFP1級試験では48%を超える受験生が利用。金融教育の普及に注力し、社会保険労務士や宅地建物取引士など多数の資格試験に合格している。
実務レベルの知識を学べるFP2級は、FP資格の中でも人気が高く、数多くのテキストが出版されています。
しかし、「人気ランキング1位だから」「表紙が分かりやすそう」などの理由で安易に選ぶのはおすすめできません。
相性の悪い参考書を選んでしまうと、学習効率が下がり、最悪の場合は不合格になるリスクがあります。
YouTube登録者数32万人を誇り、さまざまな生徒を指導してきたほんださんが解説する「失敗しない参考書の選び方」を紹介します。
プロの視点から厳選したおすすめの参考書もあわせて解説するため、ぜひ参考にしてください。

独学者が知るべき参考書選びの重要性とは?
独学でFP試験対策を進める人こそ、テキスト選びは重要です。
学習スタンスやレベルに合わない参考書を選んでしまうと、勉強の効率が下がり、合格が遠のいてしまいます。
書店に行くと、FP関連の書籍コーナーには数多くの本が並んでいます。
しかし、「誰にとっても100点満点の参考書」は存在しないため、比較して自分に合うものを見つけなければなりません。
「勉強が苦手だからイラストが多い本がいい」「手書き風のフォントは避けたい」など、考えや目的などによって最適な参考書は異なります。
一方で、プロの視点から見て「これを選んでしまうと危険だ」といえる参考書には特徴があります。
質の低い参考書を選んでしまうと、誤った知識を覚えてしまったり、無駄な学習時間を費やしたりするケースもあるでしょう。
最近はCBT試験(パソコンでの受験)が導入され、いつでも受験できるようになった反面、しっかりとした対策が求められます。
避けるべきポイントを把握した上で、学習のパートナーとなる参考書選びにこだわり、自分に合ったものを見つけてください。
買ってはいけない「やばい参考書」3つの特徴
ほんださんが多くの参考書を見てきた中で、注意すべきと考える「やばい参考書」の3つの特徴を紹介します。
①FP講師としての実績がない著者の本
1つ目は、著者にFP講師としての指導実績がない参考書です。
例えば、YouTubeやSNSで人気のインフルエンサーが出版したテキストや問題集には注意しましょう。
「動画が分かりやすいから、本も分かりやすいはず」と感じてしまいますが、大きな落とし穴が隠れています。
「しゃべる力」と「書く力」は別物で、受験生に対して講義をしていない著者は、受験生がどこでつまずきやすいかを把握できていません。
「現場の感覚」がない場合、テキストとして情報を体系的にまとめ、文章で解説するのは難しいでしょう。
書く力が不足していると、解説が独りよがりだったり、説明不足だったりするケースが多く、注意が必要です。
実際にあった事例として、人気インフルエンサーが大手出版社から出した本に80箇所以上もの間違いが見つかったケースがありました。
著者自身に1冊の本を書ききる実力が不足していた点を表しており、人気インフルエンサーが出版しているからといって安心できません。
人気があることと、正確で分かりやすいテキストが書けることはイコールではないため、著者のプロフィールを確認しましょう。
しっかりと講師としての実績があるかを見極め、正しい情報での勉強も大切です。
②資格試験に強くない出版社の本
2つ目は、資格試験の書籍に特化していない出版社が出している本です。
どれだけ有名な大手出版社であっても、資格本に関しては注意しましょう。
資格予備校系列や資格本に強い出版社には、専門の講師チームや制作部隊が社内に存在しており、「校閲体制」が整っています。
法改正や数値の誤りを厳重にチェックする仕組みがあるため、正しい知識で学べます。
しかし、特化していない出版社にはそのノウハウや専門部署がなく、チェック体制が整っていない可能性が否定できません。
FP試験は法律や税制、年金制度など、正確な数字とルールが不可欠です。
以前、一般出版社から出た本で、本来は対象外であるはずの制度について「もらえる」と誤って記載されたケースがありました。
FP3級を学んでいる人が「自分の知識が間違っているのかな?」と不安になり、問い合わせたところ、本の内容が間違っていたそうです。
このように、誤った知識がそのまま出版されてしまうリスクは、特化していない出版社のほうが高くなります。
独学で学ぶ場合、テキストを信じるしかないため、誤情報は致命的です。
「出版社の信頼性」「資格試験に強いか」「専門の校閲チームがあるか」をチェックしてください。
③「試験網羅率」の高さだけを売りにする本
3つ目は、「カバー率99%」「これ1冊ですべて網羅」と書かれた分厚い参考書です。
一見すると安心感がありますが、特に勉強があまり得意ではない人や、効率重視の人にはおすすめできません。
FP2級試験の合格ラインは6割のため、満点を取る必要はありません。
過去10回で1回しか出題されていないようなマニアックな論点まで詰め込まれたテキストは、読むだけで時間がかかります。
さらに、本当に重要な「よく出る問題」が埋もれて、理解すべきポイントが後回しになる可能性もあるでしょう。
テキストの価値は、情報をただ詰め込むことではありません。
「よく出るポイントを分かりやすく説明しているか」「受験生がつまずきそうなポイントをサポートできているか」こそが重要です。
9割以上の高得点を取らなければいけない特殊な事情がない限り、網羅率だけを誇る本は避けるほうがよいでしょう。
すべてを覚えようとして消化不良になるよりも、合格に必要な知識を効率よく学べる本を選ぶのがポイントです。
合格への近道となる参考書の選び方
FP1級を保有し、数多くの生徒を合格へ導いてきたほんださんが推奨する「正しい参考書の選び方」を3つの視点で解説します。
6割合格か知識重視か「目的」を明確にする
参考書を選ぶ前に、自身の「合格へのスタンス」を決める必要があります。
FP資格を取得する目的によって、選ぶべき本の種類が大きく分かれます。
「6割ギリギリでもいいから、勉強時間を減らして合格したい」と考える人は、要点が絞り込まれたライトな参考書を選びましょう。
このタイプの人が網羅型の分厚い本を買ってしまうと、情報量に圧倒されて挫折するリスクがあります。
一方で、「将来的にFP1級を受けたい」「実務で使える知識をしっかり身につけたい」と考える人は、深く学べる本を選ぶのが正解です。
自身の目的を明確にすることで、ミスマッチを防げます。
書店で実物を手に取り「デザインや相性」を見る
口コミだけを見てECサイトで購入するのではなく、実際に書店へ足を運び、中身を確認するのがおすすめです。
参考書には、著者や出版社ごとの個性が出ます。
「文字のフォントが見やすいか」「図解やイラストの雰囲気が好きか」「色使いが目に優しいか」などの好みを確認しましょう。
自身の目で見て、「これなら読み進められそうだ」と感じる相性のよい一冊を選んでください。
FP3級の学習状況に合わせて「シリーズ」を検討する
FP3級受験時に使っていたテキストが合っていたと感じる場合は、同じシリーズの2級版を選ぶのも一つです。
構成やレイアウトに慣れているため、スムーズに学習を進められます。
ただし、「この本はあまり頭に入ってこなかったな」「得点がいまいち伸びなかったな」と感じていた場合は、シリーズを変えてください。
FP2級は3級よりも難易度が格段に上がり、内容も細かくなります。
3級で相性が悪かったシリーズを使い続けると、内容が難しくなる2級ではさらに理解ができなくなり、不合格になる可能性が高まります。
3級を勉強していたときの理解度や手応えを振り返り、必要であれば別の出版社や著者の本に乗り換える勇気も必要です。
2級へのステップアップは、自分に合った参考書を選び直すよい機会でもあるでしょう。
タイプ別!プロおすすめのFP2級参考書2選
講師実績・出版社の信頼性・内容の質という観点から、ほんださんが自信を持っておすすめできる2冊を紹介します。
知識定着と上位資格を目指すなら「合格のトリセツシリーズ」
深く知識を身につけたい人におすすめなのが、「FP2級 合格のトリセツシリーズ」(LEC東京リーガルマインド)です。
| タイトル | 価格(税込) |
|---|---|
| FP2級合格のトリセツ速習テキスト | 2,200円 |
| FP2級合格のトリセツ速習問題集 | 2,200円 |
| FP2級合格のトリセツ過去問厳選模試 | 2,420円 |
ほんださんとコラボレーションしている書籍でもありますが、おすすめする理由はコラボのためではありません。
プロの視点から見て、以下の理由で優れているといえます。
- 制作体制の信頼性が高い
- 質の高い校閲チェック
- 試験後も役立つ知識が充実
まず、「1.制作体制の信頼性が高い」を確認しましょう。
大手資格予備校LECの講師陣が制作しており、FP試験の傾向を熟知しています。
FP試験は6つの分野にまたがるため、著者が一人ですべてを完璧に把握するのは困難です。
しかし、この本は各分野の専門講師が分析し、必要な情報を過不足なく正確にまとめています。
次に、「2.質の高い校閲チェック」です。
出版に至るまでのチェック体制が非常に厳しく、ほんださん自身もそのプロセスの厳格さを目の当たりにしています。
何度も修正を重ねて完成するため、誤った情報が記載されるリスクが極めて低いです。
最後に、「3.試験後も役立つ知識が充実」を紹介します。
内容が充実しているため、試験合格後もお金の知識を確認するための辞書代わりに使えます。
FP1級を目指す人や、実務で知識を活用したい人にとって、メリットの多い選択肢といえるでしょう。
挫折せずサクッと合格したいなら「やさしすぎるシリーズ」
勉強に苦手意識のある人や、合格ラインをクリアしたい人におすすめなのが、「FP2級 やさしすぎるシリーズ」です。
| タイトル | 価格(税込) |
|---|---|
| やさしすぎるFP2級の教科書 | 2,200円 |
| やさしすぎるFP2級の問題集 | 2,200円 |
著者の梶谷美果先生は、金融機関での研修講師を20年以上務めるベテラン講師です。
この本の特徴は、初心者に寄り添った内容で、各単元の冒頭に漫画が用意されています。
「ここでは何を学ぶのか」という全体像をつかみやすく、学習内容をより具体的にイメージできる工夫がされています。
また、内容は比較的ライトにまとめられており、難しい専門用語をかみ砕いて解説されている点は安心ポイントです。
満点を目指すのではなく、合格に必要な6〜7割の得点を効率よく取る点に特化しているため、学習の負担が少ない傾向にあります。
「堅苦しい勉強は嫌だ」「3級はなんとか受かったレベルだから不安」という人でも、無理なく読み進められるでしょう。
資格勉強が続かなかった人や、お金の知識に苦手意識がある人にとって、救世主となる一冊です。
FP2級の最短合格を目指す学習コンテンツ「FPキャンプ」
効率的に学習を進めたい人には、FP講師で人気のほんださんが運営している「FPキャンプ」がおすすめです。
FP2級の合格率は87.8%
FPキャンプを利用して試験にチャレンジした受講生の合格率は、87.8%という高水準の数字を記録しています。
全体合格率31.6%に対して2.8倍の結果は、コンテンツの質の高さを表しています。
独学でつまずくポイントも、体系化されたカリキュラムによって着実に身につけられるのがFPキャンプです。
さらに詳しいアンケート結果を知りたい人は、以下をご覧ください。
▶【25年1月FP2級試験】受講生アンケート結果~学科試験・実技試験の合格率はともに9割
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本質を学べる深い授業
FPキャンプは、試験範囲を網羅しているだけでなく、「なぜそうなるのか」という本質的な理解ができる解説が特徴です。
また、動画講義と連動したオリジナルスライドや、質の高い問題集も利用できるため、インプット・アウトプットに困りません。
CBT試験ではさまざまな問題が出題されますが、本質から理解できていれば初見の問題や応用問題も冷静に対応できます。
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FP2級は1か月993円で学べる
FP2級合格に必要なコンテンツがすべてそろっており、3か月使い放題のコースが2,980円(税込)で利用できます。
高額な予備校に通うことなく、プロの講義と教材を気軽に利用できるコストパフォーマンスの高さも魅力です。
「テキストを読むだけでは頭に入らない」「スキマ時間を有効活用して効率的に学びたい」という人は、ぜひFPキャンプを活用してください。
本記事を動画で確認したい人はこちら
本記事を動画で確認したい人は、以下をご覧ください。
自分に合った参考書を選び効率的な学習を
FP2級合格を確実に実現させたい人こそ、複数のテキストや問題集を比較し、自分に合う一冊を見つけましょう。
著者に講師としての実績があるか、出版社が資格試験に強く信頼できるか、自身の目的が深い理解なのか合格優先なのかを確認してください。
また、テキストだけでなく、知識を使う練習ができる「問題集」も購入しましょう。
CBT試験に対応するためにも、テキストとあわせて問題集を手元に置き、インプットとアウトプットを繰り返すことが合格への近道です。
自分にぴったりの一冊を見つけ、無駄のない効率的な学習で、最短ルートでの合格を目指しましょう。
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