
24歳で独学により1級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得。2021年に「ほんださん / 東大式FPチャンネル」を開設し、32万人以上の登録者を獲得。
2023年に株式会社スクエアワークスを設立し、代表取締役としてサブスク型オンラインFP講座「FPキャンプ」を開始。FPキャンプはFP業界で高い評価を受け、2025年9月のFP1級試験では48%を超える受験生が利用。金融教育の普及に注力し、社会保険労務士や宅地建物取引士など多数の資格試験に合格している。
2025年4月より、FP2級試験が筆記試験から、パソコンで受験する「CBT試験」へ移行しました。
CBT試験に対して「難易度は変わるのか」「これまでの勉強法は通用するのか」と不安を感じている人も多いのではないでしょうか。
そこで、本記事では、FP1級保有者でありYouTube登録者数32万人を超えるほんださんが、CBT試験を検証します。
実際に受験して分かったCBTならではの難しさや、合格するための攻略法を詳しく解説します。

2025年4月開始!FP2級CBT試験の概要と変更点
受験生が知っておくべきCBT試験の基礎知識と、紙試験との違いについて紹介します。
テストセンターのパソコンで受験するCBT方式とは
FP2級の試験方式が、従来のペーパーテストからCBT(Computer Based Testing)方式へと変更されました。
CBT方式とは、コンピュータを利用して実施する試験を指します。
これまでのFP試験は、年3回(1月・5月・9月)決まった日時に指定された会場へ集まり、全員が一斉に紙の問題用紙を解くスタイルでした。
しかし、2025年度からはこの一斉試験が廃止され、受験生は全国にあるテストセンターへ行き、備え付けのパソコンで問題を解きます。
画面上で問題文を読み、解答していくスタイルになるため、パソコンの操作や画面上での長文読解に慣れておく必要があります。
紙試験との決定的な違いは「電卓」の持ち込み不可
CBT化による大きな変更点は、自分の電卓を持ち込めない点です。
これまでの試験では、使い慣れたマイ電卓を持参して、手元ですばやく計算できました。
しかし、CBT試験では私物の持ち込みが厳しく制限されています。
計算には、パソコン画面上に表示される「電卓機能」を使用しなければなりません。
この画面上の電卓は、マウスでボタンをクリックするか、キーボードのテンキーを使って操作します。
普段使い慣れている電卓とはボタンの配置が異なったり、反応の感覚が違ったりするため、戸惑う受験生も多いでしょう。
特に計算問題が多い実技試験では、操作の違いが解答スピードや正確性に影響を与える可能性があります。
試験日時は選べるが予約システムの仕組みに注意
試験日程が固定されていた紙試験とは異なり、CBT試験では自身の都合のよい日時を選んで受験できます。
CBT試験の専用ページからログインし、希望するテストセンターと日時を選択して予約するシステムです。
仕事やプライベートの予定に合わせて柔軟にスケジュールを組める点は、忙しい人にとって大きなメリットでしょう。
しかし、いつでも受験できるCBT試験でも、油断は禁物です。
「勉強が進んでから申し込もう」と考えて先延ばしにしていると、希望する日時や会場の枠が埋まる恐れがあります。
また、申し込みをしない限り試験日が決まらないため、学習のペースが遅くなり、受験時期を先送りにするケースも珍しくありません。
合格までのアクションを逆算できるように、試験を勉強前から決めておくのがおすすめです。
FP1級保有者ほんださんがCBT試験を受験した結果と手応え
FP1級を保有し、多くの受験生を指導してきたほんださんが感じた、率直な手応えと結果を紹介します。
学科・実技(FP協会・きんざい)の合否と得点結果を公開
今回の検証で、ほんださんは4科目を受験し、すべての科目で合格しました。
科目と得点は、以下の通りです。
- 学科試験:60点満点中56点
- 日本FP協会の実技試験:100点満点中96点
- きんざいの個人資産相談業務:50点満点中48点
- きんざいの生保顧客資産相談業務:50点満点中49点
しかし、FP試験を知り尽くしたほんださんでさえ、満点をつかみ取れませんでした。
これは知識不足ではなく、CBT特有の環境によるミスが影響していると考えられます。
学科試験の感想:モニターでの長文読解は紙より負荷が高い
ほんださんが学科試験を受けた感想として、「紙の試験よりも時間がかかり、文字が頭に入ってきにくい感覚があった」と語ります。
紙であれば全体を見渡して読み、重要なキーワードに印をつけられます。
しかし、モニター上の文章を目だけで追う作業は想像以上に負担がかかり、違和感を見落としてしまうケースがありました。
ほんださんのような熟練者であっても、「あれ、どこで間違えたんだろう」と感じる場面があったほどです。
モニター越しに長文を読むことに慣れていないと、集中力を維持するのが難しく、ケアレスミスを誘発しやすい環境だといえます。
実技試験の感想:テンキー入力と計算手順に戸惑うリスク
実技試験では、計算した数値を直接入力する形式が登場し、課題となるのが、計算過程のメモと入力作業です。
紙試験であれば問題用紙の余白に計算式を書き込み、そのまま答えを記入できました。
CBT試験では手元のメモ用紙で計算し、その答えを画面上の解答欄へ入力しなければなりません。
「画面を見る」「手元で計算する」「画面に入力する」という視線の移動と作業の切り替えが、タイムロスや入力ミスを生む原因です。
実際にほんださんも、答えを入力した際にカーソルの位置がずれていたり、意図しない数字が入力されたりするトラブルを経験しました。
計算量が多いFP協会の実技試験では、時間が足りなくなる受験生が増える可能性があります。
従来とは違う?FP2級CBT試験の難易度と出題傾向
CBT試験を経験したほんださんだからこそ分かる、実際に出題された問題の傾向と難易度について深掘りします。
過去問の「丸暗記」や「詰め込み」は通用しにくい
CBT試験では、膨大な問題プールの中からランダムに出題されます。
これまでは過去問と同じような問題が出ることが多かったため、答えを暗記するだけで合格点に届くケースもありました。
しかし、CBT試験は「過去問を〇年分回せば受かる」という従来の詰め込み型学習が通用せず、対策を工夫する必要があります。
CBT試験へ移行した結果、出題のバリエーションが増え、過去問には載っていない形式の問題も登場しています。
単に「過去問を解く」だけでなく、問題が問うている意味や背景を理解していなければ、正解を導き出すのは困難です。
表面的な暗記ではなく、多角的な角度から問われても答えられる思考力が求められます。
見たことのない「新傾向問題」への対応が必要
実際に受験した中で、これまで市販されている過去問題集では見たことがない「新傾向」の問題がいくつか散見されました。
これは、CBT試験に移行したことで、問題の出し入れが容易になった点を活用していると考えられます。
試験実施団体が、新しいパターンの問題を積極的に導入している可能性があるでしょう。
基本的な知識を問う問題も多く出題されていますが、新傾向の問題に遭遇したときに焦らず対処できるかが重要です。
本来であれば、見たことのない問題が出たとしても、基礎知識を組み合わせて考えれば解答できます。
しかし、未知の問題に対して、既存の知識をどう応用するかが試されていると考えられます。
問題の本質は変わらないが解答プロセスが変化している
試験形式や一部の問題傾向は変わりましたが、FP試験で問われる「お金の知識」そのものが変わったわけではありません。
計算のロジックや、法律の要件といった本質的な部分は従来通りです。
ほんださんが執筆したテキストや問題集の内容をしっかり理解していれば、十分に合格点を取れる試験内容でした。
変わったのは「知識」ではなく、お金の知識を使って画面上で解答する「プロセス」です。
マウス操作やテンキー入力、画面上の電卓使用といったCBT特有の作法に、スムーズに対応する必要があります。
知識量に自信があっても、操作に手間取って時間を浪費してしまえば、本来の実力を発揮できません。
これからのFP2級合格に必要な3つの攻略法
CBT化されたFP2級試験を突破するための、効率的な3つの攻略法を解説します。
①暗記ではなく「本質的な理解」を深めるインプット
これからのFP試験で重要なのは、用語や数値を丸暗記するのではなく、制度の仕組みや理由といった「本質」を理解する点です。
「なぜこの制度があるのか」「どうしてこの計算式になるのか」を理解していれば、問題の形式が変わっても柔軟に対応できます。
動画講義などを活用して、単なる知識の羅列ではなく、体系的な理解を目指したインプットを進めましょう。
例えば、「税金の控除額」を覚えるだけでなく、「どのような人が対象で、どのような目的で設けられた控除なのか」まで理解します。
深く理解するからこそ、記憶が定着しやすくなるだけでなく、CBT試験での初見の問題にも太刀打ちできます。
②質の高い重要問題に絞って効率的に演習する
過去問の量をこなすだけの勉強法は、CBT試験にはおすすめできません。
ランダムに選ばれるさまざまな問題に対応するには、出題頻度が高く、本質的な理解を問う「良質な問題」を厳選してください。
やみくもに古い過去問を解くのではなく、最新の出題傾向を反映した問題集や、重要ポイントを学べる演習問題に取り組みましょう。
限られた時間の中で合格を勝ち取るためには、学習内容の選択が重要です。
③パソコン操作と画面上の「電卓」に慣れておく
知識のインプットと同じくらい重要なのが、パソコン操作への慣れです。
パソコン離れが進む現代では、パソコンに苦手意識がある人も多いでしょう。
しかし、マウスを使って画面上のボタンをクリックしたり、テンキーで数値を入力したりする動作は、事前の練習が欠かせません。
試験当日に初めて画面上の電卓を触るようでは、操作に気を取られて計算ミスをするリスクが高まります。
普段からパソコンを使って学習する時間を設け、デジタル画面で問題を解く感覚を養っておきましょう。
また、計算問題を解く際には、あえて電卓を使わずにパソコンの電卓などで代用してみるのも一つの手です。
入力ミスがないかを確認する癖をつけることも、CBT試験での失点を防ぐおすすめの対策です。
FPキャンプなら本番同様のCBT模試で対策が可能
CBT試験への不安を解消するおすすめの方法は、本番と似た環境で練習することです。
ほんださんが運営する「FPキャンプ」では、実際のCBT試験の画面や操作感を忠実に再現した「CBT模試」を提供しています。
FPキャンプの模試を利用すれば、画面上の電卓を使った計算や、マウスでの解答選択といったCBT特有の操作を事前に体験できます。
自宅で本番さながらの演習ができるため、試験当日に操作方法で戸惑う心配がありません。
FP2級の合格をより確実なものにするために、ぜひFPキャンプのCBT模試を活用して、万全の状態で試験に臨んでください。
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ほんださんが実際にCBT試験を受験した感想や、解説の全編を確認したい人は、以下の動画をご覧ください。
事前の対策がFP2級合格の鍵
FP2級のCBT試験は、形式の変更にとどまらず、受験生に「本質的な理解」と「デジタル対応力」を求めています。
紙試験の時代に通用していた丸暗記や過去問の詰め込みだけでは、合格ラインに到達するのが難しいのが現状です。
しかし、正しい方法で対策を進めて質のよい問題を解き、CBTの操作に慣れておけば、十分に合格可能です。
ほんださんの検証結果からも分かるように、試験の本質自体は変わっていません。
変化をチャンスと捉え、効率的な学習で最短合格を目指しましょう。
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