
FP1級受験のきっかけ
──最初にFP1級を取得しようと思ったきっかけについて教えてください。
元々は人事に異動になったものの基礎知識がなく、会社の先輩の勧めで、社会保険の基礎知識のためにFPの学習を開始しました。
3級では基礎すぎるため2級まで取ったら、まだその上に未取得の級があるのが嫌で1級まで取り切りたくなりました。
また、あと3年で定年なので老後の備えのため、1級が欲しかったのも理由の1つです。
学習スケジュールと活用教材
──次に学習方法などについてお伺いします。まず2025年2月試験までのおおまかな学習スケジュールを教えてください。
10月から12月中盤まではTACの対策本の練習問題と、くすもとFP事務所の対策本の読み込み。12月20日以降はFPキャンプの教材90%、くすもとFP事務所の対策本5%、noteの記事5%(主にラスパーさん)の割合で勉強しました。
学習時間は平均で平日2.5〜3.5時間(直前)、休日5時間程度です。
FPキャンプの1級実技試験コース開講後は、FPキャンプの教材に集中して学習を進める
──学習に利用した主な教材を教えてください。
前項の通りで、FPキャンプで1級実技試験コースが開講してからは、ほぼFPキャンプの教材だけに集中しました。それ以前はTACの対策講座も受講しましたが、解説に取り上げる問題数もたった4問で、FPキャンプに比べると充実度が低かったです。
学習の工夫と面接試験対策
──学習を進めるにあたり、自分なりに工夫した点はありますか。
FPキャンプの「アウトプット編:面接対策講義」でサトシ講師が紹介していた「権現提市法税融」のような呪文は間違いなく覚えきること、FPキャンプ教材の面接を想定した一問一答的な設問は瞬時に回答できるまでリピートすることの2点を意識しました。
FPキャンプの講義動画の一問一答を再生しながら口頭で読まれた問題文に即答できるように練習
──本番の面接形式の練習をどのようにされましたか。
学習時期の前半はFPキャンプの教材の問題をなるべくたくさん回すこと、後半は面接想定の一問一答をなるべく本番に近いイメージで動画を再生しながら、口頭で読まれた問題文に即答できるように練習しました。
──対面やオンラインでの面接試験の練習は実施しましたか。
相手がおらず実施しませんでした。
近いものとしては、FPキャンプの「インプット編:テーマ解説講義」で面接用の一問一答の問題文を読んでくれたほんださんに向かって回答したことです。
──学習を進めるにあたり、一番大変だったことは何ですか。また、その困難をどのように乗り越えましたか。
模試的なものがないので、自分がどういう状態になれば合格圏に入るのかが、余りイメージできなかったことです。
──勉強を優先したことで、犠牲にしたことはありますか。
平日夜や土日の家族との団欒と週末の(教材以外の)読書などです。
──受検前の学習はスケジュール通り進めることができましたか?試験前の学習の進捗状況について具体的に教えてください。
実技試験までにキャンプの教材を4周回そうと思っていましたが、2周終わった時点で時間まであと10日くらいになり、3周で当日になってしまいました。
──受検前の自信のほどはいかがでしたか?
全く受かる気がしませんでしたが、FPキャンプの教材はしっかり学んだので「これでダメならしょうがない」と思うようにしました。
FP1級実技試験の雰囲気や難易度、内容
設例はPart IとIIともに標準的、15分間の課題読み時間に落ち着いて面接の準備
──次に試験についてお伺いします。まず、設例に目を通した時点での感想を教えてください。
今回は全体的に難問があったとの分析もありましたが、この日の設例はPart IとIIともに割と標準的なものだと感じましたので、落ち着いて15分間の準備ができました(Part IIが先でした)。
──面接の雰囲気はいかがでしたか?
- Part I(相続・事業承継分野)
和やかではないものの、圧迫する雰囲気は全くありませんでした。 - Part II(不動産分野)
非常に穏やかな調子でお話をされる面接官で、三重、四重にも助け船を出してくれる方で、穏やかな雰囲気で面接が進みました。
面接官の質問の8割はFPキャンプの教材で対応
──質問の難易度はいかがでしたか。
- Part I(相続・事業承継分野)
知らない論点はありましたが、自分の感覚で8割以上はFPキャンプの教材での練習で対応できました。 - Part II(不動産分野)
「公租・公課の負担」という規定に基づき受け取る「清算金」の取り扱いは初見で少し焦りましたが、それ以外はトリッキーな問題もありませんでした。
──面接ではどのような質問が出ましたか。覚えている範囲で教えてください。
Part I(相続・事業承継分野)
- Aさんの相談内容と問題点について、項目名のみで良いのですべて挙げてください。
- Dさんは昨年取締役に就任しているが、受贈者の要件を満たしていますか?
- 株式を会社が買い取る場合、色々な方式があるが、 取締役Fさん所有のX社株式(10%)を会社が買い取る場合の方式は?
- 自筆証書遺言保管制度について簡単に説明してください。
- 自筆証書遺言のメリットをいくつか挙げてください。
- Aさんは、長男Cさんには財産を承継する必要はないと思っていますが、その考えについてどう思いますか?
- それではAさんに対してFPとしてどのようなアドバイスをしますか?
- 長男Cさんの遺留分は何分の何になりますか?
- FPが大切にすべき職業倫理をなるべく多く挙げてください。
- その中でFPとしてあなたはどれを最重要視しますか?
Part II(不動産分野)
- 設例を読んであなたがAさんに確認するのはどんな事柄ですか?
- ではFPであるあなた自身が確認することは何ですか?
- Aさんが甲土地・甲建物を売却する際に、譲渡所得の金額の計算上、取得費はどのように計算されますか?
- では、買い替え特例の場合はどうなりますか?
- 売却する際に、公租・公課の負担の規定に基づき受け取った清算金は、譲渡所得の金額の計算上、どのように取り扱いますか?
- 買主側で取得費に算入されるか・されないかの二択ではどうですか?
- 二世帯住宅にする場合、登記はどのようにするべきでしょうか?
- Aさんと妻Bさんの居住部分については、Bさんが相続した場合のみ、小規模宅地の特例が使えますが、何平方メートルまで何%が評価減されますか?
- 本事例に関係する専門の職業家にはどんな方がいますか?
反省点と得点結果の振り返り
言葉遣いと標準的な質問の取りこぼしに気を付ける
──面接の受け応えで気を付けたポイントについて教えてください。
FPが実際に顧客、あるいは別の士業の方と設例の内容について、検討をしているという設定で言葉遣いに気を付けました(Part IとII共通)。
Part Iでは、面接官が親切に助け舟を出してくれたのに、テンパって正解ができなかったことが反省点です。Part IIでは、先述の「清算金」については恐らく回答できないものの、それ以外は概ね標準的な問題だと感じたので、それらの質問を取りこぼさないよう気を付けました。
──回答が分からない質問に対してどのような受け応えをしましたか?
「申し訳ありません、◯◯ということまでは存じておりますが、ご質問の点にお答えできる知識を持ち合わせておりませんので、一旦持ち帰らせて頂き、至急確認の上ご連絡差し上げるようにいたします」と回答しました。
──試験後の手ごたえはいかがでしたか?
実際の面接ではかなりの緊張でテンパったまま終わってしまった感があったものの、設例を読む時間の手順や、面接中絶対に落としてはいけない部分などは、FPキャンプでご指導いただいた通りに進めたので、合否はともかく自分としての手ごたえはそこそこありました。
──実際の点数はいかがでしたか?
200点満点中125点で、内訳は以下の通りです。
A ) 顧客の問題点の把握(40点満点): 26点
B ) 問題解決策の検討分析(60点満点): 37点
C ) 顧客の側に立った対応(60点満点): 36点
D ) FP倫理と法令順守(40点満点): 26点
FP1級合格への強い気持ちを持ってFPキャンプの教材をやり込むことで合格をつかむ
──25年2月試験で合格できた要因を3つあげてください。
- 教材にFPキャンプを選んだこと。
合格するのか不安になったことも多かったですが、参考程度以外にはほぼ他の教材には走らず、印刷したFPキャンプの教材をひたすら練習して、主要な事柄は問題を見て瞬時に答えられるくらいにまでなっていたのが良かったのではないかと思います。
やはりこれと決めたら、その教材を信じるのは大切です。
- 「FP1級になりたい」という気持ちを強く持ち続けたこと。
2級を取った時点で一度「もう資格を取ることが目的なら十分かな?」と思ったこともありましたが、まだその上にある級が取れていないということがすごく嫌だったのと、人事部という部署柄のためか、2級保持者が割と周りにいて、差別化のためにもどうしても一級を取得したかったです。
- きんざいの面接で合格するという強い気持ちがあったこと。
定年後の備えとしてFP1級とCFPのどちらも取得したいという気持ちが強かったですが、「きんざいの1級学科に合格する力がないからCFPを先に取った」と思われること、ならびに「きんざいの面接実技に合格できないから協会のペーパーテストに逃げた」と思われるのはどうしても避けたくて、まずはきんざいだけで学科と実技をともにクリアして1級をしっかり取得したかったので、実技も絶対きんざいの面接で合格してやる、という気合が入りまくっていました。
どんな精神状態でも学んだことが無意識に口から出るくらいやり込むことがカギ
──今後実技試験を受けるFPキャンプ受講生に面接の受け応えに対するワンポイントアドバイスをお願いします。
どんなにFPキャンプで勉強しても面接では初見の事柄も必ず出てきます。
あまり焦らなくても他ならぬ面接官こそが、二重、三重に助け舟を出してくれるので、その助け舟に乗れるよう、テンパっていても学んだことが無意識に口から出るくらいにFPキャンプの教材をやり込めば何とかなりますよ!
FPキャンプについて
FPキャンプは「これさえしっかりやれば絶対合格できる」と言い切れるコンテンツ
──次にFPキャンプについて伺います。FPキャンプで特に役立ったコンテンツとその理由について教えてください。
すべてのコンテンツです。試験対策として、学科合格直後にTACのコースを購入しましたが、概要説明と、過去問合計4問の解説のみでほぼ1万円かかるもので、自分の場合はこの講義を何度聞いても合格はしないと感じました。
また、そのほか、比較的有名な「くすもとFP事務所」の対策本は、内容は非常に優れていましたが、説明が比較的長く、これを咀嚼して頭に入れるのは負荷が重いと感じました。
これらに対してFPキャンプは、①料金は良心的であること、②テーマごとに説明が簡潔なこと、③頭の中で実際の面接中の質疑応答がイメージできる一問一答アウトプットが秀逸であること、④解説動画がほかの教材より体感10倍分かりやすかったこと、⑤過去問解説がやはりほかの教材より5倍以上分かりやすかったことなどが際立っていたと思います(誇張はしていないつもりです)。
──コストパフォーマンスについてはいかがですか。
前項の通り、コンテンツは他の教材より遥かに上、コストはTACより安く、きんざいの実技試験の対策講座について、市場に出回っているもので現状これよりコストパフォーマンスの良いものはありません。
──FPキャンプを5段階で評価すると何になりますか(「1」が最低、「5」が最高)。
5点です。文字通り「これさえしっかりやれば絶対合格できます」と言い切れるコンテンツだからです。
FP1級の活かし方
身に着けた金融知識を生かして今後のQOLの向上や副収入につなげたい
──次に今後の展望についてお伺いします。FP1級の資格を今後の仕事や生活でどのように生かしていきたいですか。
一つは身につけた金融リテラシーで、より良い老後の生活をつくること、もう一つは会社で定年後再雇用に切り替わると副業が可能になるので、FP資格を活かして副収入を得たいと考えています。
──FP1級試験の勉強を振り返って、数々の犠牲を払いながら学習を継続して良かったと感じているのはどのような点になりますか。
元々語学や歴史などは少なからず得意でしたが、お金や法律のトピックはすごく苦手でコンプレックスがあり、どこかで「FPで1級が取れれば、少し苦手が克服できる」と自分を励まし続けていたので、それが達成できてとても嬉しいです。
受験生へのメッセージ
──最後に、FPキャンプで学ぶ受講生へのメッセージをお願いします。
いろんな教材を比べましたが、コスパ、充実度、無駄の無さなどいろんな点から、FPキャンプのコースは、他各学校の講座と比べても桁違いに合格への距離が短くなること、間違いありません。
どんなに勉強しても学科でも実技でも知らない問題は必ず出てきますが、何が出てこようと、自分自身がFPキャンプで身につけたものを出し切れれば、合格の可能性はすごく高くなるので、とりわけ1級学科の勉強は苦しいと思いますが、合格した後の未来の自分を想像しながら頑張ってください!