【FP1級 実技試験 合格体験記 Mats様インタビュー】

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FP1級受験のきっかけ

首都圏の市役所に勤務して参りました。令和5年度で60歳を迎え、それ以後は働き方が変わってくることになるため、より専門的な知識を持って住民の方の相談業務に当たりたいと考えました。

そこで令和5年度に消費生活関係の資格を取得しました。4か月ほど資格取得のために勉強をしましたが、せっかく身に付けた勉強する習慣を無駄にするのはもったいないと思い、次の資格取得も考えるようになりました。
そこで消費生活とも親和性の高いファイナンシャルプランナーの資格を考えました。
その後、令和6年の1月に3級を取得し、5月に2級も取得することができました。
ここで終わろうかとも思いましたが、1級の受験資格の中に金融機関勤務経験というものがあり、自分が数十年前、新卒で金融機関に勤務したこともあったので、1級までやってみようと考えました。

そして令和6年の9月試験で1級の学科にも何とか合格することができました。 

学習スケジュールと活用教材

9月の学科試験終了後、2月の実技に向けて勉強を始めることになったのですが、何をやっていいのかがわからず、とりあえず10月から11月は過去問を一通りやってはみました。

平日は朝活を利用して朝の4時に起床し、5時半まで勉強時間を取りました。
また通勤には主に車を使っていたため、毎日の行き帰りの車中で1級試験の動画の解説をしているYouTubeを聞いていました。

その後12月になってFPキャンプの実技コースが開講されることを知り、12月20日過ぎからはFPキャンプに沿って学習を進めました。 

──学習に利用した主な教材を教えてください。

  • きんざい実技対策問題集 
  • TAC 合格テキストFP
  • FPキャンプ実技対策 
  • YouTube FP1級試験に次の試験で合格する方法 

学習の工夫と面接試験対策

FPキャンプの合格祝賀会に参加して先輩から体験談を聞きスイッチが入る 

なかなかモチベーションが上がらない10月、11月でした。

そんなこともあり、FPキャンプ合格者祝賀会に参加し、同じ境遇の方々と話したり、あるいは既に実技合格された先輩方から体験談を聞いたりし、そこでスイッチが入ったような気がします。

後は年末年始が今年は9連休でしたので、ここでFPキャンプの内容を一通り勉強するとともに、過去問を時間を計ってかなりの回数を行いました。 

車の中で過去問解説のYouTubeを聞く際に、その内容に合わせて自分も答えるようにしていました。

他の方と面接試験の練習は実施しませんでした。 

9月試験で合格(自己採点)してから約5カ月間の時間がありますが、この間、モチベーションを維持していくことが難しかったように思います(他の資格取得勉強をスタートしようとしていました)。
その中でラスト1か月半はFPキャンプの内容を中心に最後の追い込みができたことは有益でした。 内容を中心に最後の追い込みができたことは有益でした。 

特に犠牲にしたと言う感覚はありませんが、確かに睡眠や読書の時間は減ったかもしれません。

YouTube動画を通勤の車中で再生しながら、自分でも回答を声に出して練習 

  1. YouTubeの過去問再現サイトを通勤の車中で、毎日行き帰り再生し、それに合わせて自分でも声に出すようにしていました。 
  2. 過去問については、きんざいの実技対策問題集を4冊オークションで購入。さらにTACの茶色本も購入し一通りやりました。 
  3. 定型質問については手が自然に動くようになるまで、過去問実施に合わせて必ず紙に書くようにしました。 

これまでの過去問などを何度かやってきたので、大体の内容については何とか答えられるのではないかと言う根拠のない自信はあったのですが、本番でその自信は砕かれました。 

FP1級実技試験の雰囲気や難易度、内容

設例はPart Iは難解用語があるものの標準的、Part IIは問題の主旨が分かりにくく難解 

  • Part I(相続・事業承継分野)
    いきなり嫌な言葉が出てきました。株式の買取請求権。これはノーマーク。
    その他は通常の事業承継のように感じました。
    ただ、この段階では何とか行けるのではと思っていました。
  • Part II(不動産分野)
    決まり文句を一気に書き、問題を読み終わった時点で5分経過。
    設例は読めたものの問題の趣旨がよくわからない。
    とりあえず集めるべき必要な情報を書きまくりました。この段階でほぼ10分近く経っており、完全に焦りました。

    ①のメイン質問が何を聞いてるのかがよくわかっていない。
    ②は最初は全く意味がわかっていませんでした。
    これまであまり経験がありませんが、手が震えてきて力が入らなくなってきました。
    ③は2世代住宅の問題なので、共有登記で答えようと決めました。
    ①は問題がよく理解されないままふわふわした感じで、とりあえず繰り延べと3000万円控除だけの回答案を持っていきました。  
  • Part I(相続・事業承継分野)
    和やかな雰囲気で答えやすかったです。面接官・書記官の他にきんざいのスタッフと思われる方も面接会場にいらっしゃいました。 Part II(不動産分野) 
  • Part II(不動産分野)
     圧迫感はありませんでしたが、問題が難しかったためかPart Iに比べると少し固い感じがありました。 

Part Iは面接官の誘導に乗るだけの厳しい時間、Part IIは問題の主旨が理解できないまま回答 

  • Part I(相続・事業承継分野) 
    買取請求権から相続クーデターに話が及び、ほぼそれだけで終わってしまいました。ほとんど知識がないためただ誘導に乗っていただけで厳しい時間でした。
    用意していた事業承継特例や相続については聞かれずじまいでした。 
  • Part II(不動産分野)
    読み込み時間が足りず焦ってしまったため、メインの問題の主旨が理解できていませんでした(父が買い替えていた家屋を子が売却する場合の取得費)。
    父と子がごちゃごちゃになってしまいトンチンカンな応答になりました。 

Part I(相続・事業承継分野) 

  • 相続人に対する売り渡し請求ができるということは権利として認める場合があると言うことだと思いますが、そういった事はまずあるんでしょうか? 
  • そのためにはどんな手続きが必要でしょうか? 
  • 他に手続きがいりませんか?何かに定めるとか? 
  • 先代社長が亡くなったら誰かが買取請求権を行使して困ったことになりませんか? 
  • 買取価格は? 
  • Fさんの相続人は少数株主ですがその場合の買取価格は? 
  • ずいぶん開きがありますね。買取側が安く買えた場合に税金は?

Part II(不動産分野) 

  • Aさんの父親が19××年に自宅を譲渡、買い替えを行っています。Aさんが譲渡する場合に所得の金額を計算する場合に、取得費をどのように計算しますか?居住用財産の買い替え特例を使った場合と2つ目が3000万円特例を使った場合に分けて答えてください。 
  • 固定資産税の負担は?譲渡所得の取扱いは? 
  • 二世帯住宅の登記の種類は? 
  • 今回はどれが良いか? 
  • 共有のデメリットは? 

反省点と得点結果の振り返り

Part I(相続・事業承継分野) 

  • 分からないなりに面接官の誘導に乗りました。
    知識のない買取請求権から早く離れるためにはっきりと「わからない」と言った方が良かったのか今でも分かりません。

Part II(不動産分野) 

  • 読み込みの際に主旨の正確な理解が必要だと感じました。

FPキャンプのアドバイスをもとに、持ち帰りではなく、可能な限り面接官の誘導に乗る 

Part IもPart IIも、自分のわからない内容で、かなりのやりとりが費やされました。
その際に自分からは持ち帰りを言うことはせず、極力面接官の誘導に乗るようにしました。
これもFPキャンプの講師のアドバイスがあったおかげだと思います。 

Part IIからのスタートでしたが、メインの質問は問題の主旨を理解できていなかったためトンチンカン、Part Iはカバーしていなかった株式の売渡請求、さらに相続クーデターまで質問が及んだためチンプンカンプン。不合格を覚悟していました。 

200点満点中133点で、内訳は以下の通りです。 

A ) 顧客の問題点の把握(40点満点): 25点

B ) 問題解決策の検討分析(60点満点): 42点

C ) 顧客の側に立った対応(60点満点): 41点 

D )FP倫理と法令順守(40点満点): 25点 

FPキャンプの講義に従い事前の回答を準備して、面接中は誘導に乗ることで難局を切り抜ける 

  1. FPキャンプで事前の15分の使い方、各ステップでやるべきことを学んでいましたので、それが本番で大変役に立ったと思います。最初Part IIからでしたが、問題の内容をうまく理解することができず、その整理ができないまま時間いっぱいとなり面接となりました。
    しかし、講義内容にあった事前準備のフローに従って最低限の答えを用意することができたので、面接で全滅することはなかったのだと思います。
  1. 次のPart Iでは、事業承継がメインとなり、通常の流れで行けるかと思ったのですが売渡請求と言う自分のほとんど勉強していないテーマで質問が費やされてしまいました。
    非常に苦しい時間でしたが、FPキャンプの事前準備編「面接対策の答えられないときの対応」を思い出し、面接官の誘導に、ただひたすら乗ったことが結局は良かったのだと思います。 
  1. 過去問を5年分プラスアルファやることにより大体の傾向はつかむことができました。
    それを年末年始の休みに集中的に時間を図り(15分で設問を読み、定例質問の答えを書き、メイン質問の回答案まで作成)、実際に紙に手を動かして書くトレーニングを徹底したことで最低限の点数を確保することにつながり、これも合格要因の一つになったのではないかと思っています。 
     

出題への対応に加えて、定型質問や基本質問への準備、受験者としての立ち振る舞いも大切 

実技試験については、問題の内容理解し、面接官の質問に的確に答えていくことはもちろん必要だと思います。しかし、自分の面接の内容を考えれば質問に答えられたとは言えません。
それでも合格点をもらえたのは定型質問や基本質問への準備、受験者としての立ち振る舞い、これらも判断されたのだと思います。
これらはFPキャンプ実技対策で多くの部分を学びました。
今後実技試験を受験される方は、出題への対応はもちろんですが、その他の部分、わからない質問が来たときの対応なども頭に入れて臨まれることをアドバイスします。 

FPキャンプについて

手探りの中、FPキャンプのカリキュラムに沿って試験準備を進める 

すべてのコンテンツです。何から手をつけて良いかもわからなかったので、FPキャンプのカリキュラムに沿って準備できたのが良かったです。  

特別価格だったので大変リーズナブルでした。  

5点です。講義の中でも完答できる受検生は少ない、面接官の誘導に乗りなさいとのアドバイスがあったおかげで面接中に答えられない際にパニックにならずに助かりました。 
 

FP1級の活かし方

身に着けた知識を新天地での資産形成アドバイスや消費生活アドバイザーとして生かしていきたい 

今年4月からは、これまでの自治体の職員とは立場の違う、民間企業での仕事を行うことになります。

総務的な役割ですので、社員の方々の資産形成へのアドバイス等に、
この知識を生かしていければと思います。

さらに、以前より行ってきた消費生活関係のアドバイザーとしての活動も続けていきたいと考えていますので、ここにもFP1級の知識が生きてくると思います。

また、既に身近な人から相続等の相談を受ける機会があり、
自分が得たFPの知識でアドバイスをし、大変感謝されたこともあって、この資格が実生活にもたいへん役立つものであることを確信しました。

約1年間にわたるFP3級から1級実技試験までの勉強となりましたが、これらは自分にとって大きな自信になりました。還暦を過ぎ、気力も体力も下降線をたどっていくことを多少なりとも実感する中で、新たなチャレンジができ、それも結果的には大成功となったわけで、今は充実感でいっぱいです。 

受験生へのメッセージ

特に50代60代の皆さんにお伝えしたいです。記憶は確かに若い時に比べれば衰えています。
しかしFPキャンプはただ覚えるだけではなく、理解していくことにより自分の中に定着させることを大切にしています。
1人での勉強は孤独な部分もありますが、全国にFPキャンプに参加している同士がたくさんいます。
ぜひご自身のゴールに向けて全力を尽くしてください。 

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