
FP1級受験のきっかけ
──最初にFP1級を取得しようと思ったきっかけについて教えてください。
航空会社に勤務していた際、カウンセリングに興味を持ち、産業カウンセラーや国家資格のキャリアコンサルタントを取得しました。その過程で関連資格としてFPを知り、55歳のときに初めてお金の勉強を始めました。当初は3級で十分と考えていましたが、3級では用語を知るにとどまり、理解を深めるには2級が必要だと感じて取得しました。しかし、第三者に説明できるレベルに達するにはさらに1級が必要だと考えるようになりました。私は異業種出身で1級学科試験の受験資格がなかったため、CFPの6科目に合格した後、1級実技を受験しました。
学習スケジュールと活用教材
──次に学習方法などについてお伺いします。まず2026年2月試験までのおおまかな学習スケジュールを教えてください。
■2025年6月 CFP最終科目合格
■2025年7月~9月 TAC受講、『合格テキスト FP技能士 1級実技対策 精選問題集』やYouTubeで試験内容を確認
■2025年9月 1級実技試験 不合格
■2025年10~2026年1月 FPキャンプ受講
■2026年2月 1級実技試験 合格
──学習に利用した主な教材を教えてください。
『合格テキスト FP技能士 1級実技対策 精選問題集』(TAC)は自分には難しく、十分に理解することができなかったため、主にFPキャンプの教材を活用しました。
学習の工夫と面接試験対策
実務経験がない中でも、FPキャンプを通じた学習が自信に
──学習を進めるにあたり、自分なりに工夫した点はありますか。
FPキャンプの一問一答を活用し、質問と回答を単語カードに書き出して、通勤電車の中で口に出しながら面接対策を行いました。
──学習を進めるにあたり、一番大変だったことは何ですか。また、その困難をどのように乗り越えましたか。
1級実技試験は、実務経験がなければ難しいのではないかという不安が大きくありました。異業種で相談業務の経験もなかったため、非常に苦労しました。しかし、どのような質問が出るのか、どのように答えればよいのかを、ほんださんが具体的に示してくださったことで、自信を持って取り組むことができました。
──学習を進めるにあたり、犠牲にしたことはありますか。
覚えたことをすぐに忘れてしまい、焦りや苛立ちから家族に当たってしまったことがあり、反省しています。
FPキャンプの圧倒的なコンテンツ量が学習を後押し。楽しみながら試験本番へ
──受験前の学習はスケジュール通り進めることができましたか?試験前の学習の進捗状況について具体的に教えてください。
FPキャンプのほんださんの動画を最低でも3周はしたいと考えていましたが、講義数が非常に多く、時間的にすべてを回しきることはできませんでした。逆に言えば、それほど1級実技は奥が深く、十分な対策には多くの講義が必要だと実感しました。なお、TACの講座は3時間程度の授業だったと記憶していますが、初めて実技試験を受験した際にはそれだけでは不十分で、不合格という結果に終わりました。
──受験前の自信のほどはいかがでしたか?
FPキャンプを受講してからは徐々に自信がつき、「本番ではどのような設例や質問が出るのだろう」と楽しみに感じられるほどになりました。ほんださんの豊富な講義動画と、毎朝配信されるメルマガ「僧侶FPとやまの今日の一問チャレンジ」の一問一答があったからこそ、自信を持って試験に臨むことができたと思います。
FP1級実技試験の雰囲気や難易度、内容
──次に試験についてお伺いします。まず、設例に目を通した時点での感想を教えてください。
- Part I(相続・事業承継分野)
何となく理解できそうな印象はありましたが、自分の得意分野ではないと感じました。得意な分野について話せそうにない点に、少し不安も感じました。 - Part II(不動産分野)
2年前に宅建士を取得していたこともあり、比較的得意分野だという意識はありました。前回受験時もPart IIは手応えがあったため、今回はあまり重点的に学習していませんでした。結果として、ある程度は答えられたと思いますが、想像以上に難しく感じました。
──面接の雰囲気はいかがでしたか?
- Part I(相続・事業承継分野)
終始和やかで、優しい雰囲気でした。 - Part II(不動産分野)
Part Iと同様に、終始和やかな雰囲気でした。
──質問の難易度はいかがでしたか。
- Part I(相続・事業承継分野)
これまであまり出題されていなかった「甥への事業承継」など、知らない論点も含まれており、難しく感じました。 - Part II(不動産分野)
知識としては理解していても、それをどのような場面で活用するのかまで整理できておらず、答えられない部分もありました。ただ、非常に実務的な内容であり、学びとしては大変有意義でした。
──面接ではどのような質問が出ましたか。覚えている範囲で教えてください。
Part I(相続・事業承継分野)
- 事業承継税制における贈与の期限はいつですか?
- 現金が少ないようですが、現金を増やすにはどのような方法がありますか?
- 土地を会社に売却した場合の課税関係はどうなりますか?
- 甥に対して事業承継税制を適用できますか?
- 事業承継税制における先代経営者の条件を教えてください。
Part II(不動産分野)
- 不動産売買の際の判断基準は何ですか?
- 土地を売却せずにAさんが広い土地を手に入れる方法はありますか?
- 固定資産の交換の条件にはどのようなものがありますか?
- 今回は借地権と所有権ですが、固定資産を交換しても問題ないですか?
- 今回の場合、片方の土地ともう片方では2倍の大きさがありますが、固定資産を交換して問題ないですか?
- 二世帯住宅の登記における注意点は何ですか?
- 二世帯住宅で区分登記を避けるべき理由を教えてください。
反省点と得点結果の振り返り
不合格の経験を糧に、好きになれるほど積んだ対策量
──面接の受け応えで気を付けたポイントや反省点について教えてください。
前回の受験ではPart Iがほとんど答えられなかったため、今回は約4か月間、Part Iに重点を置いて集中的に学習しました。その結果、本番では「どんな質問でも来い」という気持ちで、自信を持って面接官の目を見て臨むことができました。
ただし、実際には知らない知識も多く、途中で視線を落としてしまう場面もありました。一方で、4か月間Part Iに取り組み続けたことで、この分野に対する理解が深まり、前向きに楽しみながら受け答えできたと感じています。
Part IIについては、宅建資格を持っていることを自信に、「必ず答える」という強い意識で臨みました。
──回答が分からない質問に対してどのような受け応えをしましたか?
前回の試験では、1分ほど沈黙して考え込んだ末に「分かりません」と答えてしまう場面がありました。一方、今回の試験では沈黙を10秒程度にとどめ、「〇〇だと思いますが、正確には分かりません」と、自分なりの考えを伝える形で回答しました。
──実際の点数はいかがでしたか?
200点満点中126点で、内訳は以下の通りです。
A ) 顧客の問題点の把握(40点満点): 25点
B ) 問題解決策の検討分析(60点満点):35点
C ) 顧客の側に立った対応(60点満点):38点
D )FP倫理と法令順守(40点満点): 26点
高い合格率に油断せず、誠実に試験勉強に向き合うことで合格をつかみ取る
──26年2月試験で合格できた要因を3つあげてください。
- 講義動画の理解を進め、「好き」と思えるようになったこと
まず挙げられるのは、ほんださんの膨大な講義動画です。単に暗記するのではなく、「理解すること」を強く意識して取り組みました。丁寧に講義を聞き込むことを徹底したことが、理解の定着につながったと感じています。毎朝配信されるメルマガの一問一答も非常に役立ち、日常的に相続・事業承継・不動産の分野に触れ続けることで、これらの分野を身近に感じられるようになりました。最終的には「好き」と思えるようになったことが、大きな要因だったと思います。
- 相談者に興味を持ち、全力で助けたいと言う気持ちを持つこと
FP1級実技試験は合格率が高いこともあり、当初は「何とかなるだろう」と考えていましたが、最初の受験では不合格となりました。そこで、この試験の本質について深く考えるようになりました。なぜ面接形式なのか、なぜそのような質問がされるのかを理解する中で、この試験がFP試験の中でも特に重要な位置づけにあることに気づきました。単に知識を覚えるだけでなく、相談者に関心を持ち、全力で支えたいという姿勢を持つことが何より大切であり、それが合格につながったと感じています。
また、面接中は「どのような質問が来るのか」という興味を持ちながら、試験官の目をしっかりと見て受け答えすることを意識しました。試験官が貴重な時間を割いて対応してくださっていることへの感謝の気持ちを持てたことも、落ち着いて臨めた要因だと思います。
- 合格率が高いことに油断せず、本気で勉強したこと
面接形式の試験は、どのように対策すればよいのか分かりにくく、不安も大きくありました。そのため、講師から直接学ぶことの重要性を強く感じ、FPキャンプに申し込みました。実際に受講してみると、講義数の多さに圧倒され、それだけ対策が必要な難しい試験であることを実感しました。
合格率が高いという情報は、場合によっては油断につながりかねません。しかし、FPキャンプで学ぶ中で「本気で取り組まなければ合格できない試験である」と強く認識し、最後まで真剣に学習を継続できたことが、合格につながったと感じています。
知識量を土台に、面接を楽しむことが鍵
──今後実技試験を受けるFPキャンプ受講生に面接の受け応えに対するワンポイントアドバイスをお願いします。
ぜひ面接を楽しんでください。そのためには、知識というしっかりとした土台が必要です。講義を丁寧に聞き、どのような質問がされるのか、どのように回答すべきかを理解しておくことが重要です。分からない場合でも「分かりません」と言い切るのではなく、自分の持っている知識の中から何とか言葉にして絞り出してみてください。そこから面接官がヒントを与えてくれることもあります。
FPキャンプについて
──次にFPキャンプについて伺います。FPキャンプで特に役立ったコンテンツとその理由について教えてください。
「ガイダンス講義」「インプット編:テーマ解説講義 Part I(相続・事業承継)」「インプット編:テーマ解説講義 Part II(不動産)」「アウトプット編:事前準備編」「アウトプット編:コミュニケーション編」「直前まとめシート」「僧侶FPとやまの今日の一問チャレンジ(メルマガ)」です。
本来であればインプット編をあと2周ほど見直したかったのですが、コンテンツが非常に充実しており、時間的にそこまで取り組むことはできませんでした。
また、毎朝配信される「僧侶FPとやまの今日の一問チャレンジ」は非常に勉強になりましたが、毎日届くため、良い意味で追われている感覚もありました(笑)。直前期はこの一問一答を中心に学習し、できなかった問題は単語カードに書き出して、通勤電車の中で繰り返し確認しました。メリット・デメリットなども口に出して整理することで、理解を深めることができました。
FPキャンプの「これだけ頭に入れれば絶対に受かる」というコンテンツ量が力に
──FPキャンプの総合的な満足度を教えてください。
非常に満足しています。理由は、コンテンツの充実度の高さです。これだけの量をしっかり身につければ合格できると実感できるほどのボリュームでした。
1回目の受験ではTACの講座を利用しましたが、コンテンツが少なく、「あとは自分で勉強する必要がある」という印象が強く、どのように学習を進めればよいのか分からない部分がありました。一方で、FPキャンプは非常に丁寧に構成されており、何をすべきかが明確に示されている点が大きな魅力でした。特に過去問や質問例は、実践力を高めるうえで非常に有効なコンテンツだと感じました。
FP1級の活かし方
FP1級技能士に何を求めているのか、常に意味を追い求める
──次に今後の展望についてお伺いします。FP1級の資格を今後の仕事や生活でどのように生かしていきたいですか。
私は異業種出身で実務経験もないため、まずは相続診断士の資格を取得し、一般の方にも分かりやすく知識を伝えられるようになりたいと考えています。
──FP1級試験の勉強を振り返って、数々の犠牲を払いながら学習を継続して良かったと感じているのはどのような点になりますか。
今回の学習を通じて良かったと感じている点は、主に以下の3つです。
- 知識が身についたこと
- 大きな自信を得られたこと
- 家族のために役立てる力を身につけられたこと
受験生へのメッセージ
──最後に、FPキャンプで学ぶ受講生へのメッセージをお願いします。
試験官は受験者を導くように、さまざまなヒントを与えてくださいます。その背景には、「合格してほしい」という思いや、貴重な時間を割いて面接を行ってくださっているという事実があります。そうした点に感謝の気持ちを持って臨むことが大切だと思います。
また、この面接試験にはすべて意味があります。なぜこの形式なのか、なぜこのような設例が用意されているのかを考えることで、試験の本質が見えてきます。FPキャンプの講座は、その本質を理解したうえで構成されていると感じました。日本がFP1級技能士に求めている役割を意識しながら、丁寧に学習を積み重ねていくことが何より重要です。ぜひ頑張ってください。
