【FP監修】奨学金返済はいつから?月々の平均額や救済制度を解説

この記事を書いた人
本多遼太朗

24歳で独学により1級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得。2021年に「ほんださん / 東大式FPチャンネル」を開設し、33万人以上の登録者を獲得。

2023年に株式会社スクエアワークスを設立し、代表取締役としてサブスク型オンラインFP講座「FPキャンプ」を開始。FPキャンプはFP業界で高い評価を受け、2025年9月のFP1級試験では48%を超える受験生が利用。金融教育の普及に注力し、社会保険労務士や宅地建物取引士など多数の資格試験に合格している。

大学や専門学校を卒業し、社会人としての生活がはじまると同時に気になるのが「奨学金」の存在です。

学生時代はあまり意識していなかった数百万円という貸与額が、現実的な「借金」として大きな負担となります。

社会人1年目は手取り給与も多くはなく、日々の生活費をやり繰りするだけで精一杯という人も少なくありません。

万が一、奨学金を延滞してしまうと、将来のライフプランに大きな影響を与える可能性があります。

奨学金の仕組みを正しく理解したうえで、無理のない返済プランが大切です。

本記事では、奨学金返済の基礎知識から、返済が苦しいときの救済制度などをFP視点で徹底解説します。

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目次

奨学金の返済はいつから開始?基礎知識とスケジュール

奨学金返済の基本的なスケジュールと、必ず押さえておくべき手続きについて解説します。

卒業した年の「10月」から返済開始が一般的

日本学生支援機構(JASSO)の奨学金を借りている場合、返済がはじまるのは貸与終了月の翌月から数えて7か月目です。

一般的に、3月に大学や短期大学などを卒業した場合、10月が最初の引き落とし日です

(例)

  • 2026年3月 卒業:2026年 10月から返済
  • 2026年9月 卒業:2027年 4月から返済
  • 休学・留年・途中辞退:返済開始時期が異なる

新生活の準備や初任給での生活基盤を整える期間が設けられているため、卒業してからすぐの返済ではありません。

しかし、10月になれば自動的に引き落としがはじまるため、あらかじめ口座残高を管理しておきましょう。

放置していると、初回の引き落としで残高不足となり、いきなり「延滞」の記録がつくリスクがあるため注意してください。

振替日(引き落とし日)と口座変更の手続き方法

毎月の返済額(割賦金)が引き落とされる振替日は、原則「毎月27日」です

27日が金融機関の休業日(土日祝日)にあたる場合は、翌営業日に引き落としされます。

(例)

10月27日(土):10月29日(月)

10月27日(月・祝):10月28日(火)

引き落とし口座は「リレー口座」と呼ばれ、多くの場合は奨学金の貸与終了時に手続きをします。

万が一、メインバンクを変更した場合や、給与振込口座から引き落としたい場合は、速やかに口座振替(リレー口座)をしましょう。

手続き方法によって、完了時期は異なります。

  • スカラネット・パーソナルからの申込:1か月程度
  • 口座振替(リレー口座)加入申込書での申込:2か月程度

スカラネット・パーソナルから、申込状況や口座変更が完了しているか確認できます。

返済期間は最長20年?返済期間の確認方法

奨学金の返済期間は、貸与総額や選択した返済方式によって異なりますが、一般的には最長で20年(240回)設定されています。

例えば、22歳で返済を開始すると、完済は42歳となり、結婚や住宅購入、子育てなどのライフイベントと返済期間が重なります。

将来、愛する家族との生活を守るためには、20代から無理のない返済プランを立てなければなりません。

自身が「いつまで返済が続くのか」正確な終了年月を知りたい場合は、以下の方法で確認できます。

  • スマホ・パソコン:スカラネット・パーソナルから確認可能
  • 電話:奨学金相談センターから確認可能(奨学生番号が必要)
  • 書類:貸与終了時に受け取る「貸与奨学金返還確認票」

自身の返済計画をしっかりと考えるためにも、一度ログインして「返還完了予定年月」を確認しましょう

【シミュレーション】毎月の返済額は平均いくら?

一般的な貸与額をもとにした返済額の目安と、シミュレーションの方法について解説します。

貸与額別の月々の返済額目安

「令和4年度 学生生活調査」の結果では、以下の割合で奨学金を利用しています。

  • 大学55.0%
  • 短期大学61.5%
  • 大学院修士課程51.0%
  • 大学院博士課程58.9%

参照:奨学金を受けている学生の割合はどれくらい?

貸与総額が約200万円~400万円になるケースが多く、公立か私立、学部などによっても異なります。

例えば、総額300万円を借り入れ、利率などの条件を考えて20年で返済する場合、月々の支払いは約1万3,000円~1万5,000円です。

一見すると払えない金額ではありませんが、手取り20万円前後の新入社員にとっては、家計の5〜10%を占めます。

約1万3,000円~1万5,000円の固定費が20年間続く点を冷静に受け入れ、計画的に返済しましょう。

日本学生支援機構(JASSO)のシミュレーションを活用

よりリアルな返済額を知りたい人には、日本学生支援機構の公式サイトにある「奨学金貸与・返還シミュレーション」を活用しましょう

▶日本学生支援機構:奨学金貸与・返還シミュレーション

学校の種類や奨学金の種類(第一種・第二種)、貸与総額などを入力すると、月々の返済額と総支払額を試算できます。

将来的に繰り上げ返済を検討している場合や、利率の変動リスクを把握したい場合には、シミュレーションが役立ちます。

曖昧な金額ではなく、具体的な数字を把握して、経済的に余裕のある生活を目指してみてください。

利息あり(第二種)と利息なし(第一種)での総支払額の差

奨学金には、利息がつかない「第一種」と、利息がつく「第二種」の2種類が存在します。

第一種は元金のみの返済で済みますが、第二種は年利上限3.0%の範囲内で利息が加算されます。

近年は低金利が続いているため、第二種の利率も非常に低く抑えられていますが、20年(長期間)でみると利息負担は無視できません。

自身が借りている奨学金がどちらのタイプなのか、適用利率が何%なのかを把握しましょう

奨学金の返済が「苦しい」と感じたときの対処法

長い返済期間の中では、転職や病気、経済状況の変化により、返済が困難になる時期が訪れた場合は放置せず、救済制度を利用しましょう。

滞納を避けるべき理由とは?信用情報(ブラックリスト)への影響

奨学金の返済が難しい状況になった場合は、以下の制度を利用しましょう。

  • 減額返還制度:月々の返済額を少なくする方法
  • 返還期限猶予:返済を待ってもらう方法
  • 返還免除:心身の障害、死亡した場合の措置

引き落としができない状態が3か月以上続くと、個人の信用情報機関に事故情報として登録されてしまいます。

信用情報機関には、ローンやクレジットカードの利用記録などが記録されています。

一般的には「ブラックリスト」と呼ばれており、信用に傷がつくと、住宅や車のローンが契約できなくなるほど影響する重要な情報です

一度信用情報機関に登録されると5年間は記録が残り続け、クレジットカードの作成やローンの審査は難しくなるでしょう。

「たかが奨学金」と軽視していると、将来のライフプランそのものが崩壊しかねません。

返済が厳しいと感じたら、引き落とし日の前に必ず日本学生支援機構へ相談してください。
参照:日本学生支援機構「返還が難しくなった場合」(2026年2月調査)

毎月の額を減らす「減額返還」制度の活用

減額返還制度とは、毎月の返済額を減額できる制度を指し、以下の割合から選べます。

  • 半分
  • 3分の2
  • 3分の1
  • 4分の1

例えば、毎月1万5,000円の返済が厳しい場合、7,500円に減額して支払いを継続できます。

減額返還制度を利用すれば、毎月の家計負担を軽減しながら、延滞のリスクを回避可能です。

ただし、減額した分だけ返済期間は延長されるため、注意しましょう。

支払いを待ってもらう「返還期限猶予」制度とは

返還期限猶予制度とは、失業・傷病など、経済的に返済が難しい状況になった場合、返済を猶予できる制度です。

一定期間返済を先送りにでき、通算10年(120か月)間利用できるため、状況を整えられる救済措置です

審査に通れば毎月の支払いを一時的にストップできますが、猶予した期間分は延長される点を事前に理解しましょう。

元金が減るわけではなく、「先送りできる制度」として理解して、制度の利用を検討するのがおすすめです。

「返還免除」制度は非常に特別なケース

返還免除制度は、非常に限定的ではありますが、奨学金の返還が免除される制度です。

本人が死亡した場合や、精神・身体の障害により労働能力を喪失した場合などが該当します

身体障害者手帳の基準とは異なり、日本学生支援機構の基準で判断される点には気をつけてください。

日本学生支援機構の嘱託医の審査結果が第1級に該当する場合は全額、第2級に該当する場合は一部が免除されます。
参照:日本学生支援機構「精神又は身体の障害による奨学金返還免除申請について」(2026年2月調査)

ただし、限定的な制度であるため、原則は「猶予」か「減額」です。

余裕ができたら「一括返済(繰り上げ返済)」すべき?

貯蓄ができると「早く返してしまいたい」と考える人が多くいますが、慎重に検討する必要があります。

繰り上げ返済のメリットは「保証料」と「利息」の軽減

繰り上げ返済(一括返済)のメリットは、将来支払うはずだった「利息」を軽減できる点です

第二種奨学金を利用しており、比較的高い利率が適用されている場合は、早めに返すほど節約につながります。

また、機関保証(保証料を毎月支払う制度)を利用している場合、一括返済によって未経過分の保証料が一部戻ってくるケースもあります。

心理的な負担から解放される点でも、繰り上げ返済は大きなメリットを得られるでしょう。

住宅ローンや結婚資金とのバランスを考える

現在の日本における奨学金の金利は極めて低く設定されているため、資金を無理に返済に回さず、手元に残しておく選択も一つです。

20代~30代は、結婚式・出産・住宅購入など、まとまった現金が必要になるライフイベントが多く控えています。

奨学金を完済すると手元の貯金が減るため、いざというときに高金利のカードローンやブライダルローンを利用しなければなりません。

自身のライフプランから考え、今後数年以内に大きな出費がないかを確認した上で、繰り上げ返済を検討するのがかしこい選択です

奨学金は借金!お金の知識で正しく理解しよう

奨学金は「借金」ですが、恐怖の対象ではなく、ルールを理解すれば豊かな人生を歩める選択でもあります。

返済を「ただの苦痛」にしないためのプラン

奨学金の返済を「毎月給料から引かれる借金」と感じてしまうと、20年間ただ苦痛に耐えるだけになります。

しかし、「低金利で自分の現在に投資をした」と捉えられれば、意味のある手段に変わります。

投資結果として現在の収入があると考え、未来の信用作りに変えていきましょう

毎月の家計簿をつけ、収支を把握し、返済を含めたプランを立てれば、漠然とした不安は消えていきます。

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お金のルールを知れば、奨学金も怖くない

奨学金に限らず、金利・複利・インフレなどは「ルール」で動いているため、基本的なルールを理解するのが重要です。

知っている人と知らない人とでは、生涯で手元に残るお金に数千万円の差がつきます。

奨学金の返済猶予や減額制度を知っているだけで、人生の危機を回避できるように、知識は自分を守る防具として役立ちます

奨学金の返済を通じて、より深い「お金の教養」を身につけ、お金をコントロールする生活を目指してみてはいかがでしょうか。

本質的な金融知識を学ぶなら「FPキャンプ」がおすすめ

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深く学べるから、知識を活かせる

YouTubeで人気のほんださんが運営する「FPキャンプ」は、FP資格試験の暗記テクニックを教える場所ではありません。

「なぜそうなるのか?」という背景や仕組みを本質から解説するため、学んだ知識がそのまま実生活で使える知恵に変わります。

例えば、今回の記事で触れた「金利の考え方」や「ライフプランニングの作成」も、FPキャンプで学ぶ中心的なテーマです。

表面的な節約術ではなく、金融のプロと同じ視点で家計や経済を見られるようになり、あらゆるシーンで適切な判断が可能になります

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まとめ:FPの知識を身につけて、家計と人生をコントロールしよう

奨学金の返済は、避けては通れないお金の試練かもしれません。

しかし、10月からはじまる返済スケジュールを把握し、困ったときの救済制度を理解しておけば、恐れることはありません。

思考停止で返済を続けるのではなく、ライフプランに合わせて「繰り上げ返済」や「投資」を選択できる知識を持つのがポイントです。

FPの知識を身につければ、奨学金という借金さえも、人生を豊かにするためのツールとしてコントロールできるようになります。

学びをはじめるのに、遅すぎるということはありません。

今日から正しいお金の知識を武器に、自分らしい人生を切り拓いていきましょう。

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