FP資格の学習で学べる金融リテラシーとは?人生を豊かにする大切な知識

この記事を書いた人
本多遼太朗

24歳で独学により1級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得。2021年に「ほんださん / 東大式FPチャンネル」を開設し、29万人以上の登録者を獲得。

2023年に株式会社スクエアワークスを設立し、代表取締役としてサブスク型オンラインFP講座「FPキャンプ」を開始。FPキャンプはFP業界で高い評価を受け、2025年1月のFP1級試験では32%を超える受験生が利用。金融教育の普及に注力し、社会保険労務士や宅地建物取引士など多数の資格試験に合格している。

お金に対する漠然とした不安、老後の資金準備、賢い資産管理など、豊かな生活を送るための知識が「金融リテラシー」です。

しかし、「金融リテラシーってそもそも何?」「どうやって学べばいいの?」と疑問に感じる人も多いのではないでしょうか。

本記事では、私たちの生活に不可欠な金融リテラシーの意味から、学習するメリット・金融リテラシーを高める方法までを分かりやすく解説します。

お金の知識と判断力を身につけるために、ぜひ参考にしてください。

目次

金融リテラシーとは?重要なお金の知識と判断力

金融リテラシーとは、お金に関する適切な選択をするために不可欠な「知識」と「判断力」を指します。

現代社会は、X(旧Twitter)・Instagram・YouTube・ウェブサイトなど、さまざまな方法で情報を得られますが、「すべての人に当てはまる答え」はありません。

SNSで「〇〇保険がおすすめです!」と紹介されていた場合でも、個人の条件により異なります。

Aさん・Bさん・Cさんの条件から、最適な保険を考えてみましょう。

ケース配偶者の有無家族構成資産状況
Aさん独身貯蓄なし
Bさん独身十分な貯蓄あり
Cさん既婚
子ども2人
貯蓄に余裕なし

Aさんの場合、貯蓄なしという面から考えると、万が一のときでも対応できる保障額の医療保険を選ぶ方法も1つです。

Bさんの場合、独身かつ十分な貯蓄がある面から考えると、公的保険を活用し、民間保険に加入しない選択もあります。

Cさんの場合、独身の頃に加入した保険+定期型の保険で保障額を上げ、保険料を抑えるのもいいでしょう。

このように、個人の資産・収入・年齢・家族構成など、さまざまな条件から最適な答えを導き出す必要があります

金融リテラシーが備わっていれば、メリット・デメリットを比較検討し、長期的な視点から最適な判断を下せるようになり、より経済的に自立できるでしょう。

反対に、知識や判断力が不足していると、不利な契約を結んでしまったり、思わぬ金融トラブルに巻き込まれたりするリスクも高まります。

金融リテラシーは単なる知識の取得ではなく、経済的に自立して豊かな人生を築くための実践的なスキルの1つです。

生活に取り入れよう!金融リテラシーの4分野

政府広報オンラインでは、最低限身につけておきたい「金融リテラシー」に、4つの分野を示しています。

①家計管理

「家計管理」とは、日々の収入と支出を正確に把握し、無駄をなくして計画的にお金を使う能力を指します。

例えば、毎月の収支を記録、無駄な支出を分析、予算内で生活する習慣、先取り貯蓄などが挙げられるでしょう。

家計管理がしっかりできていないと、収入が多くてもお金は貯まらず、理想の実現は難しいと考えられます。

②生活設計(ライフプラン)

生活設計とは、結婚・住宅購入・子供の教育・老後など、人生におけるさまざまなライフイベントを見据え、長期的な視点で資金計画を立てる能力を指します。

例えば、自分の夢や目標を実現するために、いつまでにいくら必要で、どの程度の金額を毎月貯金すべきかを具体的に計画します。

ライフプランが明確になれば、日々の家計管理のモチベーションも高まり、より計画的な資産形成が可能です。

③お金の基礎知識・金融商品を選ぶ能力

お金の基礎知識・金融商品を選ぶ能力とは、各仕組み・各商品の特徴・メリット・デメリットを把握し、目的に合った商品を選ぶ能力を指します。

具体的な例は、以下の通りです。

  • 金利・インフレ・税金などの基本的な仕組み
  • 預貯金・株式・投資信託・保険などの特徴やリスクとリターン
  • 金融取引時のポイント
  • 本当に必要な保険の選び方や、必要な金額
  • ローンやクレジットカードの計画性
  • 投資の「ハイリスク=ハイリターン」「ローリスク=ローリターン」の関係性 など

正しい知識がなければ、お得な制度を活用できない、リスクが高い商品を選ぶ可能性があります。

④お金の相談相手を適切に選び、アドバイスを活かす力

お金の相談相手を適切に選び、アドバイスを活かす力とは、信頼できる情報源を見極め、提案内容やアドバイスの活かし方を考える能力です。

信頼性の高い情報が欲しい場合、公的機関のウェブサイトや、実績のある専門家のSNSから情報を得る、金融機関の担当者の意見を聞くなどが当てはまります。

しかし、情報や意見を鵜呑みにせず、複数の意見を聞いたり、自分自身でもよく考えたりする姿勢が大切です。

例えば、メガバンクの担当者に資産運用について相談した場合、企業の方針に合った商品をおすすめされる可能性があります。

メガバンクの場合、手数料が高い商品が多いため、割高な手数料を支払うケースも少なくありません。

そのため、「手数料は高くないかな?」「自分に本当に合う商品?」「FPにも相談しよう」と考える必要があります。

自身の力で相手を選び、どの意見を活用するかを判断できれば、より低コストでリスクに備え、資産を増やせる方法が見つかるでしょう。

参照:政府広報オンライン「「金融リテラシー」って何? 最低限身に付けておきたいお金の知識と判断力」(2025年5月調査)

どうして金融リテラシーが必要?知識を深めるメリット

金融リテラシーの4分野は関連しており、各分野の知識が組み合わさることで、さまざまなメリットを生み出します。

自分で「お金の正解」を選べる

金融リテラシーが高まると、世の中にあふれる多くの情報や金融商品の中から、自分自身にとって何が本当に「正解」なのかを見極められます

テレビCMなどで「万が一に備えませんか?」という言葉を聞くと、「確かに私にも必要かも?」と感じる人も多いでしょう。

しかし、保険料の高さや個人の条件から考えると、本当に必要な手段ではない可能性も考慮して選ぶ必要があります。

金融リテラシーを向上させれば、「私に必要なものはコレだ」と選ぶための軸として活躍するでしょう。

現実的な資産形成が可能

より効率的に資産形成を進められる点も、金融リテラシーを得るメリットです。

お金を「貯める」だけでなく、「増やす」「守る」ための知識とスキルが身につけば、より経済的な安定と将来の豊かさへの道が開けます。

資産運用の経験がない場合、「投資は怖いから、現金・預貯金でお金を持ち続けている方がいい」と感じる人もいるでしょう。

しかし、物価が上がり続ける「インフレーション」は、現金の価値を下げるデメリットがあるため、資産を守る視点を持つことが大切です。

お金の知識を活用すれば、「資産を増やす視点」だけではなく、「資産の価値を守る視点」からも考えられるので、金融リテラシーは重要な知識だといえます。

家計管理能力が向上する

金融リテラシーは、日々の家計管理においても非常に役立ち、無駄な支出を削減し、マイホーム購入や老後資金準備などにつなげられます

正しいお金の知識を活かせば、収入と支出を正確に把握し、予算に合った生活を送れるでしょう。

例えば、家計簿をつける習慣を身につけ、何にどの程度のお金を使っているかを「見える化」することで、改善すべき点が分かります。

食費・通信費・娯楽費など、費目ごとに予算を決め、範囲内でやりくりする工夫も生まれるでしょう。

また、固定費の見直し(例:スマートフォンの料金プランの変更など)にも積極的に取り組めます。

日々の積み重ねが、将来の大きな目標達成や、予期せぬ出費への備えとなり、経済的に余裕のある生活が可能です。

金融トラブルを回避できる

金融リテラシーを身につければ、悪質な金融商品や詐欺の存在から自身の大切な資産を守れます

金融商品について理解し、リスクを把握していれば、話の奥に潜む危険性を見抜く冷静な判断力が養われるでしょう。

例えば、「元本保証で高利回り」「絶対に儲かる投資方法」といった非現実的な投資話に対して、しっかりと警戒でき、危険なリスクを回避できます。

また、クレジットカードの安易なリボ払いや、返済能力を超えた高額なローンの契約の危険性も認識できるでしょう。

お金に関する正しい知識は、さまざまな不測の事態から守り、安心して暮らすための強力な盾として役立ちます。

自分に合う保険・金融商品・サービスを選択可能

金融リテラシーが高まると、数多くの保険商品・金融商品・サービスの中から、本当に自分に合う商品などを選択できます

各商品のメリットやデメリット、手数料や金利といった条件を正しく比較検討し、総合的な判断が可能になる面は、金融リテラシーを高めるメリットの1つです。

例えば、投資信託を選ぶ際に、「人気があるから」という理由で選ぶのは危険です。

個人によってリスク許容度(損失に耐えられる範囲)が異なるため、十分に注意しなければなりません。

以下のAさん・Bさん・Cさんを比較しましょう。

【3人の共通条件】

  • 資産運用の目的:老後資金の準備
  • 運用期間:65歳まで
ケース配偶者の有無家族構成資産状況
Aさん(30歳)独身十分な貯蓄あり
Bさん(40歳)既婚
子ども2人
生活防衛資金あり
Cさん(55歳)既婚
自立した子ども1人
貯蓄あり

【生活防衛資金とは】

病気・災害・収入の減少などの万が一に対応するためのお金を指し、最低限の生活費を3~6か月分用意するのが一般的です。

Aさんの場合、独身かつ十分な貯蓄がある面から考えると、リスク許容度が高いため、株式の投資信託を選ぶのもいいでしょう。

株式の投資信託は、リスクが高い傾向にありますが、35年以上の運用期間を確保できるため、資産成長を期待できます。

Bさんの場合、子どもがいる・貯蓄に余裕がない面から考えると、株式・債券・不動産などさまざまな金融商品が組み合わされたバランス型の投資信託を選ぶのも1つです。

株式のみの投資信託と比較すると、資産が増えるスピードは遅いですが、リスクを軽減できるメリットがあるので、基準価額が下落しても耐えられるでしょう。

Cさんの場合、運用期間が短いため、Bさんにおすすめしたバランス型の投資信託か、信用リスクが低い債券など、リスクを抑えた商品選びが重要です。

運用期間が短い場合、損失を回復できる時間が限られるため、より慎重な商品選びが求められます。

このように丁寧に選べば、より有利な条件で、本当に自分にとって価値のある金融商品やサービスを選択できるでしょう。

経済的に自立でき、心の余裕が生まれる

金融リテラシーを身につけ、お金に関する知識と判断力を高めれば、経済的な自立から「心の余裕」をもたらします

漠然としたお金の不安が軽減され、お金に振り回されず、お金をコントロールできるようになるでしょう。

経済的な基盤が安定すれば、本当にやりたいことや大切な人との時間に意識を向けられ、心豊かな生活を実現可能です。

この点からも、金融リテラシーは、経済的にも精神的にも豊かな生活を過ごすために、重要なスキルだといえます。

金融リテラシーの高め方5選

金融リテラシーを高めるための方法を、5つ紹介します。

①経済ニュース・新聞を日々チェックする

経済ニュースや新聞を日常的にチェックすれば、経済の動きや新しい金融政策などが分かります

最初は難しく感じるかもしれませんが、次第に「何を伝えていて、何に影響があるか」を理解できるでしょう。

②専門書を読む

しっかりと金融知識を学びたい人は、お金の専門書を読むのがおすすめです。

金融の入門書・投資・不動産・保険・年金などの知りたいテーマを選べ、専門性の高さを選べます。

断片的な情報ではなく、専門家の考察なども学べ、より知識を深められるでしょう。

③YouTubeなどの動画コンテンツを見る

YouTubeなどの動画コンテンツでは、多くの金融専門家やFPが、お金に関する情報を分かりやすく解説しています

アニメーションや図解を多用した動画も多く、活字が苦手な人や、スキマ時間を有効活用したい人にとって便利な学習ツールです。

FP解説で人気のほんださんの【ほんださん / 東大式FPチャンネル】は、FPの知識をかみ砕いて解説しているので、ぜひ活用してみてください。

④お金のセミナー・勉強会に参加する

金融機関やFPなどが主催するセミナーや勉強会に参加し、金融リテラシーを高める方法も1つです。

専門家から直接話を聞けるだけでなく、質疑応答を通じて疑問点を解消でき、学習のモチベーション維持にもつなげられます

ただし、主催者や内容を事前にしっかり確認することが重要です。

⑤FP資格の取得を目指して、網羅的に学習する

金融リテラシーを効果的に高める方法として、FP資格の取得がおすすめです。

FP資格の正式名称は「ファイナンシャル・プランニング技能士」で、3級・2級・1級のレベルがある国家資格です。

FP試験の学習範囲は、全6分野と幅広いため、網羅的に知識を学べます。

【試験範囲】

  • ライフプランニングと資金計画
  • リスク管理
  • 金融資産運用
  • タックスプランニング
  • 不動産
  • 相続・事業承継

3級は基本知識を学べるため、金融リテラシーを高めたい人に最適な資格です。

FP技能士の詳細は【FP解説で人気のほんださんが運営!FPキャンプの特徴・料金・口コミを徹底調査】をご覧ください。

FP資格にチャレンジするなら、「FPキャンプ」がおすすめ!

金融リテラシーを網羅的に高め、将来に役立つ資格も取得したいと考える人は、「FPキャンプ」の受講がおすすめです。

FPキャンプとは、YouTubeチャンネル登録者数29万人超のほんださんが運営する、FP試験対策に特化した学習コンテンツを指します。

FP試験対策に特化した質の高い学習コンテンツを低価格で受講でき、効率的かつ楽しく学習可能です。

難解な専門用語や複雑な制度も、初心者でもスムーズに理解できるよう工夫してます。

FPキャンプは、スマートフォンがあれば、いつでも・どこでも学習できるので、金融リテラシーを効率的に高められるでしょう。

FP3級対策は税込990円から学べるので、ぜひ活用してみてください。

私たちと一緒にFP試験にチャレンジしましょう!FPキャンプの詳細はこちら

金融リテラシーは人生で重要な知識!経済的・精神的な余裕を生み出そう

金融リテラシーは、情報があふれる現代社会を、賢く・効率的に生き抜くために不可欠な能力です。

お金に関する正しい知識と判断力は、日々の家計管理から将来の資産形成、予期せぬ金融トラブルの回避など、人生のあらゆる場面で私たちを支えます。

家計管理、生活設計、お金の基礎知識・金融商品を選ぶ能力、適切な相談相手の選択とアドバイス活用力をバランスよく学ぶのがおすすめです。

金融リテラシーを高める方法として、ニュースのチェックや読書、動画コンテンツの視聴などがありますが、特におすすめしたい方法がFP資格の学習です。

FP試験の学習範囲は金融に関する知識を幅広く学べ、学習の過程で金融リテラシーが身につくでしょう。

FP資格取得にチャレンジしたい人は、ほんださんが運営する「FPキャンプ」の活用がおすすめです。

分かりやすい講義動画やオリジナル問題集で受験生を徹底サポートするので、ぜひ検討してみてください。

金融リテラシーを高め、経済的・精神的にも余裕のある暮らしを手に入れましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次